大分市は、将来にわたる公共施設などの適正な維持管理方針を示す「公共施設総合管理計画案」を策定した。公共建築物などは全体的に老朽化が進み、厳しい財政事情から更新が難しい状況にあるため、26年度から55年度までの30年間の長期計画で施設の維持補修による長寿命化と施設最適化などを進める。2月1日まで、市民の意見を募集している。
計画案によると、市は、基本方針に▽計画的保全による長寿命化推進▽施設保有量の最適化▽市民ニーズに対応した施設の活用▽まちづくりと連動したマネジメントの推進―を掲げた。また、公共建築物、インフラ資産を分野ごとに分け、維持管理方針などを示している。
計画の全体目標として、@公共施設の長寿命化―定期的点検、計画的保全により、これまで40〜50年程度で建て替えてきた建物を80年以上の継続利用を目標に維持管理A公共建築物保有量の最適化―市民一人あたりの施設面積を維持しつつ、対象施設全体の延床面積を20%程度縮減Bインフラ施設の効率的な維持と整備C水道事業など公益企業会計の健全経営維持―を挙げている。
計画は30年の長期で、取り組み状況や成果検証をしながらマネジメントを推進するため、計画期間を前期(26〜35年度)、中期(36〜45年度)、後期(46〜55年度)と3期に分けて進捗管理し、その時点での公共施設状況や人口動態、社会情勢を適切に反映した計画となるよう5年ごとに見直す。
また、長寿命化のための改修、施設建て替え状況を毎年整理し、概ね5年ごとに市の公共施設白書を更新し、着実に計画を推進するとしている。
提供:
大分建設新聞社