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　神奈川県は、神奈川県観光振興計画の改定素案を策定した。宿泊インフラの充実のために、国家戦略特別区域における旅館業法の特例を活用して、宿泊施設の多様化を検討するとしている。今後、県民意見を踏まえて案を策定。県議会報告などを経て３月ごろに計画を決定、規則等を公布する予定だ。
　現行計画は２０１５年度末で計画期間が満了する。また、ラグビーＷ杯や東京五輪の開催などをにらんで、外国人観光客向けプロモーションの強化や、旅の環境づくりなどの施策を一層強化していく必要がある。国内観光客についても、さがみ縦貫道路と北陸新幹線の開通を生かして、周遊型や滞在型の観光をより一層促進する。事業期間は15年度から18年度までの３年間。
　神奈川の観光の将来像「行ってみたい、住んでみたい、人を引きつける魅力あふれる神奈川」を目指す。「観光立県かながわ」の実現に向けて、地域経済の活性化と観光客数の増加・観光消費額の増加に有効な施策を展開。入込観光客数（延べ観光客数）を毎年４００万人ずつ増やし、18年には２億人とする。観光消費額は１兆５０００億円（13年度は９９００億円）とする目標。外国人旅行者の訪問者数は２０１万人（14年度は１６５万人）を目指す。
　基本施策は、「魅力ある観光地の形成」「外国人観光客の誘致促進」「観光関連産業の成長促進」。
　『魅力ある観光地の形成』では、新たな観光の核づくり（城ケ島・三崎地域、大山地域、大磯地域）など、地域主体で取り組む魅力づくりを支援。鎌倉の世界遺産登録を推進する。
　観光地の魅力を向上させる景観形成の促進のために、相模湾沿岸地域などに数多く点在する、歴史的・文化的な遺産である近代建造物と邸園を保全・活用した地域づくりを推進。
　受入環境の整備としては、アクセスの改善を挙げる。新東名高速道路や横浜湘南道路・高速横浜環状南線など自動車専用道路網を整備。新東名高速道路へのアクセス道路として、国道１２９号（戸田立体）や県道６０３号（上粕屋厚木）の整備を進める。自動車専用道路網を補完する交流幹線道路網では、県道６１１号（大山坂戸）大山バイパスの整備や、三浦縦貫道路�U期の整備を進める。また、道路利用者の利便性向上に有効な（仮称）綾瀬スマートインターチェンジなどのスマートインターチェンジや「道の駅」の整備を促進。
　鉄道網では、リニア中央新幹線の建設促進と県内駅設置や東海道新幹線新駅の設置、これらを繋つなぐＪＲ相模線複線化などを促進。羽田空港周辺のアクセスの整備として、東海道貨物支線貨客併用化などを進める。
　ユニバーサルツーリズムを進めるために、観光施設のバリアフリー化などの環境整備と情報発信を促進する。
　『外国人観光客の誘致促進』のためには、宿泊インフラの充実が重要。国家戦略特別区域における旅館業法の特例を活用して、宿泊施設の多様化を検討。県内のＷｉ−Ｆｉ環境整備などで情報を発信する。
　『観光関連産業の成長促進』では、観光分野における新しい事業の立ち上げや事業拡大を支援し、観光産業を支える観光事業者の経営基盤強化を図る。旅館の改修・増設や、店舗のバリアフリー化などを行う観光事業者の資金調達を支援する。
　提供：建通新聞社