県防災危機管理部消防課は、消防学校・防災研修センターの地盤改良工事に近く着工する。また、県営繕課に委託している実施設計が今年3月に完成するため、来年度で建築工事に着工し、18年度までの3か年で建設、19年度中の全面開校を目指す。実施設計は梓設計(東京都品川区東品川2―1―11)が担当。工期は本年3月25日。総事業費は約83億円を見込む。
地盤改良工事は、液状化対策のために地下に杭を打設する。工事は県市原土木事務所がその1〜その4の4分割で発注。施工はその1をマルコウ中村組が3690万円(予定価格3809万円)、その2を進和建設が3950万円(同4116万円)、その3を山内工業が3525万円(同3638万円)、その4を岩田興業が3810万円(同3914万円)で落札。工期はその1とその2が120日、その3とその4が本年3月25日。
同事業は、老朽化する既存の消防学校を移転のうえ建て替え、新たに防災研修センターを併設した施設を整備する。
施設の建設場所は市原市菊間783―1地先。敷地面積は約6万2000u。基本設計での建物規模は、教育棟・防災研修センターがRC造2階建て延べ約4504u、寮がRC造3階建て延べ約5400u。ほかに車庫、屋内訓練棟、訓練塔燃焼実験室、補助訓練塔、水難救助訓練施設、地下街区想定店舗・洞道訓練施設、市街地救助訓練塔などを整備し、総延べ面積は1万6200u。
教育棟は教室や各種実習室等を備え、寮はトレーニング室、図書室を備えた宿泊施設を整備する。また、屋内訓練棟は雨天時に消防操法等の訓練を行い、市街地救助訓練塔では水没車両や建物の隙間からの救助訓練などを行う。
このほか、屋外施設として屋外訓練場、倒壊建物・がれき救助訓練施設などを整備する。屋外訓練場は放水訓練や救助訓練などを行い、倒壊建物・がれき救助訓練施設は、地震等による倒壊建物やがれきからの救助訓練を行う。このうち倒壊建物・がれき救助訓練施設と市街地救助訓練塔は優先的に整備し、先行して供用を開始する予定。
同事業は、既存の消防学校が供用開始から42年を経過し、主要な建物に耐震上の問題があるほか、訓練施設が不足し、実火訓練ができないなど訓練に影響が出ていることから、災害に強い防災先進県ちばの実現を目指し、消防団員の教育訓練及び自主防災訓練等への防災教育を充実強化するため、防災研修センターを併設した新たな施設を整備する。