名張市は、2021年に開催される三重国体と、20年開催のプレ国体に向けて、市内の競技会場となる市民陸上競技場などを改修するため16年度から設計を行い、工事にも順次着手する意向を示した。16年度予算案にも設計などを含めた事業予算を要求していく考えだ。併せて、県立名張桔梗丘高校が統廃合により18年3月に閉校することから学校跡地を国体の競技会場として活用する可能性についても検討する。
三重国体で、同市内で行われる4種目の競技会場は、軟式野球を市民野球場〈メイハンスタジアム〉(夏見2812)、ホッケーは市民陸上競技場(〃)など、綱引きは市総合体育館〈HOS名張アリーナ〉(〃)で行い、弓道は「近的」を市総合体育館、「遠的」を市民陸上競技場に設置する計画。
ホッケー会場は、市内に2カ所設置する計画で、1カ所を市民陸上競技場のフィールド(約1万平方b)に配置する。コート基準は91・4b×55bで、コート周辺に、幅5b程度のスペースを確保する。改修は現状のフィールド表面が土砂となっていることから、人工芝を施す工事が中心となる予定。市では、市民陸上競技場について、ホッケー会場候補となる以前からサッカー競技ができる環境整備を行う計画を進めており、14年度に調査に着手した。そこで、今回の国体との競技会場整備との整合性を計り、サッカーコートの標準規格(105b×68b)の環境整備を行うことで、ホッケー会場として活用する計画案を作成する考えだ。二つ目のホッケー会場予定地は、現状では未定としており、市内での会場選定を進める。二つ目の会場を公認競技場とし、国体のメーン会場として位置付ける考えだ。現在の市民陸上競技場は、敷地が2万2260平方b。施設内容はフィールドが1万平方b。トラックは1周400b、8レーン。観客収容人員800人(メーンスタンド)。1989年度建設。
綱引き会場となる市総合体育館では、これまでに、耐震化、バリアフリー、電気設備などを整備している。今回の改修は、アリーナの床面の張り替えは行わずに、綱引き競技に支障が生じない程度の改修を検討する。また、観客などの利用者側に配慮し、トイレ、手摺りなどのバリアフリー未着手の部位の改修を検討する。既設規模は鉄筋コンクリート造3階建て延べ4386平方b。77年建設。
軟式野球会場の市民野球場については、施設基準は満たしており、14年度までに防球ネットやバックスクリーンなどの環境整備を実施している。国体に向けて、各競技の中央団体による会場事前視察が16年度に行われる予定で、野球場についても視察後の指摘事項に対応した改修を行う計画。既設規模は両翼91b、収容人員は1万人。78年建設。
弓道会場は、市民陸上競技場のトラック部と、市総合体育館敷地に、大会前に仮設の特設会場を設置する計画。
跡地利用の対象となる県立名張桔梗丘高校(桔梗が丘7ノ1、73年創立)は、16年4月に県立名張西高校との統合で「名張青峰高校」としてスタートし、2年後の18年3月に閉校する。跡地利用の有効活用に関して、市民からの要望も踏まえ、国体の競技会場の可能性も含めた検討とともに、今後、関係機関との協議を進めるものとしている。
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建通新聞社