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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/01/05

【山梨】県の総合計画、強靭化計画スタート

 県の将来を方向付ける新しい「総合計画」と「強靱化計画」が昨年末に決定し、本年から本格スタートする。県では第3次社会資本整備重点計画も策定した。県内のリニア中央新幹線の建設も南アルプストンネルで昨年末に始まった。これら計画の具体化とリニア建設の進展。本年は、県の発展に向けた重要な年になる。

 県の総合計画と強靱化計画には、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催と27年のリニア開業が大きく影響している。県では、この二つを県勢発展の好機ととらえており、その効果が全県的に波及できるよう、さまざまな施策を打つ。
 総合計画では、県が目指すべき地域社会を「輝き あんしんプラチナ社会」とし、「エネルギー供給力」「景観・農業力」「安心・防災力」を高め、安心して暮らせる地域社会を創り上げることが基本戦略。主要事業として@「リニア環境未来都市」の整備A県強靱化計画の推進B地域高規格道路の整備―などを盛り込んでいる。
 また、近年の自然災害などを踏まえ、安全安心な県土づくりへ強靭化計画を策定した。強靱化計画で想定するリスクは@地震A富士山噴火B豪雨・豪雪。
 主な重点化施策として、建築物などの耐震化の推進、河川管理施設やダムの長寿命化などを設定した。土砂災害などによる陸の孤島化対策としては、県内道路ネットワークの整備推進などを盛り込んでいる。
 これら以外でも県では、第三次社会資本整備重点計画も策定した。社会資本整備の優先順位を示したもので、計画期間は19年度までの5年間。重点分野に「防災・減災」「活力」「くらし」を挙げ、自然災害に強い基盤づくり、リニア開業効果の県全域への波及、市街地の活性化、安全安心な生活環境づくりなどに取り組んでいく。
 さらに県では、人口ビジョンを実現する「総合戦略」も昨年末に決定。総合計画の部門計画である森林・林業振興ビジョン、農業大綱も策定。将来像を示し、重点的に取り組む施策を決定した。
 県の財政事情は厳しい。しかし、以上の計画の着実な実施による県発展への取り組みが期待される。