日本工業経済新聞社(茨城)
2015/12/29
【茨城】常陽地域研究センター 2015年県内10大ニュース
一般財団法人常陽地域研究センター(水戸市)が2015年県内経済10大ニュースをまとめた。県や経済団体、国の出先機関、金融機関、企業からなる県経済検討会の意見をもとに集約したもの。ことしは、県西地域を中心に深い傷痕を残した「関東・東北豪雨」、2年連続となる「上期の工場立地件数全国1位」などが取り上げられた。
【関東・東北豪雨による被害】
台風17、18号の影響により、鬼怒川沿いの地域に南北に連なる線状降水帯が発生し、長期間の集中豪雨をもたらした。その結果、9月10日に常総市内の鬼怒川左岸において堤防が決壊。同市の市街地を中心に広範囲にわたり水没し、住民の生活は甚大な被害を受けた
【地方創生元年】
政府は本年を「地方創生元年」と位置付け施策を開始。県内自治体は、人口減少対策や雇用創出策を示す地方版総合戦略づくりを進めるなど、地方創生の方策をめぐる議論が本格化した。また、全国で増加している空き家問題対策も地方創生施策の一つとして捉え、空き家の現状把握を進めるとともに、保安上危険と判断される空き家の撤去や、空き家の有効活用などに取り組む
【上期の工場立地3冠達成】
本年1〜6月の全国の工場立地動向で、県内工場立地件数は35件(前年同期比16・7%減)、同面積は43 ha(同37・7%減)、県外企業立地件数は22件(同22・2%増)と、前年水準を下回ったものの、いずれも全国1位となり、前年に引き続き3冠を達成
【旧弘道館が日本遺産】
4月24日、文化庁が初認定した日本遺産18件を発表。その中の一つ「近世日本の教育遺産群 〜学ぶ心・礼節の本源〜」では、構成文化財として、水戸市の旧弘道館や常磐公園(偕楽園)などが選ばれた
【つくばで16年G7科学技術大臣会合】
来年の伊勢志摩サミットに併せて開催されるG7科学技術大臣会合が、来年5月15〜17日につくば市で開催することが正式決定。つくばの最先端の科学技術や本県の魅力が世界に向けて発信できるチャンスとなる
【TX開業10周年】
つくばエクスプレス(TX)が8月24日、開業10周年を迎え、秋葉原駅で記念イベントが行われた。1日の平均輸送人員は開業初年度の15万人から14年度には2倍以上の32万6000人に増加。県南地域を中心とした地域活性化に大きく貢献している
【上野東京ライン開通】
3月14日、JR常磐線、宇都宮線、高崎線の3路線において品川駅まで乗り入れる「上野東京ライン」が開通し、東京駅を起点とした北関東の輸送ネットワークが強化された
【TPP交渉が大筋合意】
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、10月5日、米アトランタでの閣僚会合により大筋合意した。これにより国内総生産で世界の4割近くを占める巨大経済圏がアジア太平洋地域に生まれる道筋がついた
【常銀と足利HD経営統合発表】
常陽銀行は11月2日、足利ホールディングスと来年10月1日付の経営統合を目指すことで基本合意したと正式発表した。経営統合後、常陽銀行と足利銀行は持ち株会社の傘下に入る。資産規模は約15兆円となり、全国で3位の広域地銀グループが誕生する
【県内大型店の閉店相次ぐ】
県内大型店舗の閉店が相次ぎ、ヤマダ電機は、5、6月に水戸駅南口のLABI水戸店や土浦店など県内11店舗を閉店(その他に移転1店)、イオンも2月に下市店(水戸市)、9月に取手店を閉店、さらに9月の豪雨の影響により、ユニーが12月にアピタ石下店を閉店するに至った。一方、閉鎖後の店舗には、ドン・キホーテやニトリなどが進出または進出予定とされているところも出てきている