石川県建設業協会(北川義信会長)は25日、谷本正憲県知事を囲む懇談会を金沢市の金沢ニューグランドホテルで開催し、県側に公共事業予算の継続的・安定的確保や改正品確法運用指針の着実な執行などを要望した。
懇談会には、県側から谷本知事、常田功二土木部長ら土木部幹部、協会側から北川会長以下役員らがそれぞれ出席した。
冒頭、北川会長が「今年度は改正品確法の運用元年であり、県におかれては市、町に対し歩切りの全面廃止を確約していただいた。歩切りは全国的にも根絶状態にあり、石川県の先進性が高く評価されている。改正品確法は、企業が適正な利潤を確保し、担い手の確保、育成を進めることにより、品質の高い建造物をつくり上げていくために必要不可欠なもの。県においてはこの趣旨に沿って、入札契約制度の改善などをお願いしたい」とあいさつ。続いて、谷本知事が「悲願であった北陸新幹線金沢開業が果たされ、県としてはこの効果を県内全域に波及、持続させるため、幹線道路の整備など社会資本の整備を着実に進めていかねばならない。公共事業も従来の発想を変えて、現場で感じたことを発信していくことが大切だ。くい打ち工事のデータ改ざん問題など芳しからぬ出来事もあったが、幸い石川県が施工したものについては、そういうことはなかった。県民の安心、安全を守っていくために、今一度真摯な気持ちで取り組んでいく姿勢が求められている」とあいさつした。
懇談に移り、協会側から、▽公共事業予算の継続的・安定的な確保▽改正品確法運用指針の着実な執行▽最低制限価格基準のさらなる引き上げ▽工事発注および施工時期の平準化▽指名競争入札枠の拡大▽県内建設業者の受注機会の確保▽新幹線建設工事に地元企業の参加と関連工事を県市が受託工事として発注▽除雪体制を維持するための支援拡充▽道路河川など土木施設の管理・修繕および除雪の一括契約の検討―の9項目について要望が出された。
このうち改正品確法運用指針に関しては、担い手の確保・育成のための適正な利潤を確保できるよう、予定価格の設定や事後公表の検討、市町に対する運用指針遵守の徹底要請を求めた。最低制限価格基準の件では、全国的に公契連モデル以上の都道府県が多数あることから、さらなる引き上げを要望した。新幹線建設工事については、金沢以西の新幹線建設工事において、共同企業体方式を活用するなど県内業者の受注機会確保などを求めた。
懇談会ではこのほか、各地区建設業協会から、それぞれの地区の実情に沿った要望も出された。