香川県は、4727億円余の2016年度一般会計当初予算要求額を明らかにした。各部局の要求額が出揃ったもので、15年度当初予算に比べ2・6%増の伸び。今後、1月下旬からの知事調整を経て2月中旬に16年度当初予算案がまとまる。
16年度当初予算案への要求総額は4727億5800万円で、15年度当初予算額(4605億7800万円)に比べ2・6%増の伸び。部局別内訳は▽政策部708億1700万円で対前年度比1・1%増▽総務部641億6200万円、同1.2%減▽危機管理総局14億8800万円、同8・9%減▽環境森林部100億8800万円、同7・3%減▽健康福祉部778億0800万円、同3・4%増▽商工労働部480億4300万円、同0・1%増▽交流推進部48億3800万円、同16・8%増▽農政水産部207億1700万円、同3・3%増▽土木部453億8700万円、同7・8%増▽警察本部256億2500万円、同2・8%増▽教育委員会1018億9900万円、同5・3%増▽議会、出納局、各種委員会18億8600万円、同2・1%増―の伸び。
新規に県有建物の長寿命化推進に取り組むための所要額を要求。南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備え、災害対策本部室を改修し危機管理オペレーションセンター(仮称)を整備するための所要額も新規に要求した。
また、「G7香川・高松情報通信大臣会合」開催による県の知名度向上を最大限に生かし、関係機関と連携して国際会議や全国規模の大会・学会などコンベンションやビジネスイベントの誘致を図るため、新規にMICE推進体制強化事業の所要額500万円も要求している。
このほか三豊警察署整備や新県立体育館基本計画策定費に加え、県庁舎東館耐震改修事業で基礎免震による耐震改修の実施設計費等も要求した。
主な建設関係の要求額は次の通り。
【政策部】
▽県内水道広域化推進事業―広域水道事業体設立、水道事業の統合のための準備を進め、県内水道の広域化を推進。6600万円
【総務部】
▽(新規)県有建物長寿命化推進事業―「香川県県有建物長寿命化指針」に基づき、県有建物の計画的な予防保全を通じた長寿命化の取り組みを推進し建て替え回数の抑制等による財政負担の軽減や平準化を図る。3100万円▽県庁舎東館耐震改修事業―県庁舎東館耐震工法等検討アドバイザーの助言を得ながら、県庁舎東館の基礎免震による耐震改修の実施設計等を実施。3100万円
【危機管理総局】
▽(新規)危機管理オペレーションセンター(仮称)整備事業―南海トラフ地震等の大規模災害発生時に備え、より迅速かつ的確な災害対応ができるよう、災害対策本部室等を改修し、危機管理オペレーションセンター(仮称)を整備する。8000万円▽地域防災力総合支援事業―南海トラフ地震等の大規模地震に備え、市町が地域の実情に応じて行う防災・減災対策の取り組みを加速させるため、地域防災力強化のための事業に補助。1億円
【環境森林部】
▽かがわ「里海」づくり推進事業―かがわ里海大学(仮称)の開校、海ごみ対策、里山・竹林資源地域循環利用、生活排水対策等に取り組み、海域と陸域が一体となった全県的な里海づくりを進める。1億0100万円▽治山・林道・造林事業―12億1000万円
【交流推進部】
▽四国鉄道高速化啓発事業―四国の新幹線に対する理解を深めるため、四国が一体となり啓発活動などを行い機運を醸成。300万円
【農政水産部】
▽果樹・オリーブ研究所施設整備事業―老朽化した府中果樹研究所と小豆オリーブ研究所を更新整備し、本県オリーブ技術による売れる農産物づくりに向けた試験研究の充実・強化を図る。3億7500万円▽ため池整備事業―地震により決壊した場合に甚大な被害が想定される大規模ため池の耐震診断を実施し、補強工事が必要と判断されたため池について耐震化補強工事を行う。未整備のため池改修も行うなど、ため池の総合防災対策を進める。27億7300万円
【土木部】
▽公共土木施設長寿命化事業―11億1200万円▽空港連絡道路整備事業―13億4500万円▽河川総合開発事業―椛川ダム等3ダムの整備・調査を実施する。50億円▽地震・津波対策海岸堤防等整備事業―「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、L1津波に対する地震対策と、L1津波を引き起こす地震に対する「地震対策」を計画的に実施。38億1300万円▽老朽危険空き家除却支援事業―市町と連携し老朽危険空き家の除却に対し補助を行う。3600万円
【警察本部】
▽(新規)安全・安心まちづくりを推進する防犯カメラ設置推進事業―防犯環境の整備を推進しようとする自治体等を対象に、防犯カメラ設置に係る初期費用を補助する。300万円▽交通事故抑止対策事業―速度抑制を図るための速度感応型信号機の整備や、信号機のない交差点における標識・標示などの高輝度・カラー化等を推進。3億1400万円▽三豊警察署整備事業―9400万円
【教育委員会】
▽県立高校再編整備推進事業―小豆地域と三豊観音寺地域で既存2校の統合と新たな高校づくりを推進。61億0900万円▽老朽校舎等改築事業―三本松高校、高松東高校、高松南高校、坂出高校、丸亀高校、丸亀城西高校、観音寺第一高校、観音寺中央高校の老朽化した校舎等の改築事業を推進。64億3400万円▽新県立体育館基本計画策定事業―新県立体育館整備検討委員会や関係団体等からの意見を踏まえ、新県立体育館整備に向け基本計画を策定する。2100万円
提供:建通新聞社