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日本工業経済新聞社(茨城)
2015/12/26

【茨城】茨城県 県都計審で神栖にポンプ場建設

 本年度第3回目の県都市計画審議会(中川喜久治会長、以下・都計審)が22日に開かれ、鹿島臨海都市計画における下水道の変更1件を可決したほか、笠間市における廃棄物処理施設の敷地位置に関する都市計画上の支障有無2件を支障なしとした。そのうち下水道の変更は、鹿嶋市と神栖市の両市にまたがる鹿島臨海都市計画下水道に雨水排水ポンプ場を追加して神栖市内に建設するとともに、排水区域を拡大する。
 この公共下水道は、鹿島臨海工業地帯の汚水処理を目的に、1969年に旧神栖町と旧波崎町の約1809 haを排水区域とし当初の都市計画を決定。その後、順次排水区域が拡大され約4799 haが決定。また処理場として深芝下水処理場、ポンプ場として南海浜中継ポンプ場、奥野谷中継ポンプ場、主要な幹線管渠が決定している。整備状況は汚水が約77%、2013年度に事業を開始した雨水は約2%の進捗。
 今回の変更は、新たな雨水排水ポンプ場として北公共埠頭雨水ポンプ場を追加決定する。場所は神栖市居切字砂山の敷地面積約1万1400uで、市の中心に位置する。平坦な地形で雨水処理が困難であり、近年の集中豪雨で浸水被害を受けている。このため北公共埠頭第1排水区で13年度から雨水幹線などの整備が始まり、14年度までに管渠などを整備。今後は流末の鹿島港北航路に向け、管渠を順次整備する。これに伴い、集めた雨水をポンプアップして鹿島港へ放流するため、雨水ポンプ場を都市計画決定し施設を建設する。
 雨水排水の流れとして、北公共埠頭第1排水区から道路側溝や幹線管渠を通じてポンプ場まで自然流下した後、ポンプを用いて流末である鹿島港に排水できる高さまで水を汲み上げ、放流渠を通じて自然流下にて排水する計画。なおポンプ場の用地は、県の所有する港湾関連用地となっており、神栖市と県企画部との間で用地の協議が進められているため、取得に支障はない。
 また排水(雨水)区域について、長峰・北若松地区の約23・5 haと居切地区の約4・3 haの合計約28 haを拡大し、全体の排水区域を約4827 haとする。
 居切地区(西部)は国道124号と県道鹿島港潮来インター線との交差部付近に位置する約4・3 haの敷地に30戸ほどの家屋が立つ住宅地。また長峰・北若松地区は県道深芝浜波崎線をはさみ約3 haの柳川団地と20・5 haの北若松団地に分かれた合計約23・5 haの住宅地で190戸ほどの家屋が立っている。
 両地域とも昭和40〜50年代にかけて宅地開発が行われた。汚水処理も公共下水道で整備された。宅地開発で整備された経緯から下水道法に基づく施設では無かったため、神栖市の条例により地域下水道として位置付けられ管理されてきた。
 地域下水道は条例に位置付けているものの、公共下水道と異なることから、長寿命化計画の策定や維持更新の実施に当たり一体的な取り扱いができない。そのため今回の変更では、あらためてこれらの区域を公共下水道として都市計画決定し、その上で長寿命化計画を策定し、老朽施設の一体的、効率的な維持管理、更新を図る。
 廃棄物処理施設の2件については、東京石灰工業梶i東京都中央区、菊池宏行代表)と葛、和(水戸市吉沢町、礒ア達也代表)から申請があったもの。
 東京石灰工業は、既存の採石工場内(笠間市上郷字須釜3564−2の一部、敷地4306・28u)に計画。がれき類の破砕を行う。処理能力は1日当たり696t。
 共和は、笠間市安居字清水頭2559−1などの敷地2万3856・27uに、S造1〜2階建て延べ3136・75uで計画。うち工場がS造2階建て延べ2415・84u。処理能力は、がれき類や廃プラスチック類、木くずの破砕が1日当たり1494・12t。汚泥の脱水が同154・05立方m。