三重県県土整備部は、県管理トンネルの本体部分のコンクリート劣化、設備の更新などに対して予防保全的な修繕を進めており、2016年度には、鞍掛トンネルなど19本で修繕工事を行う計画だ。県では6月に策定した「トンネル長寿命化修繕計画」に沿って、15年度は5本で補修工事を実施したほか、16年度の対象工事として鞍掛トンネルなど3件の設計(対象は13本)に着手している。
県が15年4月時点で管理するトンネルは124本あり、トンネル本数は上下線で2本ある箇所などがあり、計126本が対象となっている。このうち、他県管理の石榑トンネルと未使用の矢知山トンネル、海野浦トンネルの3本を除く123本を修繕計画の対象とした。高齢化状況を見ると、建設後50年が経過するトンネルは18本で14%を占め、さらに20年後には65本となり、52%に増えるものとした。
修繕計画では、定期点検結果、健全度評価結果などを基に、@修繕が当面不必要な施設A修繕が必要な施設B早急に修繕が必要な施設C緊急の修繕が必要な施設の4段階に分類した。対象数は、@が5本、Aが52本、Bが66本、Cが0本で、Bについて今後5年間で修繕工事を実施する予定とし、Aについては定期的な監視と計画的な修繕を行うものとした。個別施設について劣化予測を行い、30カ年にわたる維持管理の時期、計画を策定した。
当面の5カ年で実施する補修計画を見ると、15年度に補修5本、16年度に補修19本、17年度に補修19本と換気設備整備1本の計20本、18年度に補修10本、19年度に補修34本とし、全体で88本を対象としたほか、5年ごとの定期点検本数計画なども盛り込んだ。5カ年の対策費の合計は15億6700万円とした。
15年度に設計中の13件は次の通り。
▽鞍掛トンネル〈国道306号〉(いなべ市)―延長757b、1983年建設▽五十鈴トンネル〈県道伊勢磯部線〉(伊勢市)―延長872b、65年建設
▽高見トンネル〈国道166号〉(松阪市)―延長2470b、83年建設▽木梶トンネル〈〃〉(〃)―延長121b、77年建設▽落方トンネル〈〃〉(〃)―延長189b、76年建設▽桑原トンネル〈〃〉(〃)―延長136b、73年建設▽田引トンネル〈〃〉(〃)―延長650b、93年建設
▽湯谷トンネル〈国道422号〉(大台町)―延長250b、80年建設▽宮川トンネル〈大台宮川線〉(〃)―延長202b、04年建設▽新女鬼トンネル〈松阪度会線〉(多気町)―延長241b、96年建設▽辻堂トンネル〈蓮峡線〉(松阪市)―延長223b、88年建設▽津本トンネル〈〃〉(〃)―延長93b、88年建設▽水呑トンネル〈大杉谷海山線〉(大台町)―延長284b、74年建設
提供:
建通新聞社