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大分建設新聞社
2015/12/25

【大分】大分を連携の中核に、8市町が圏域形成へ

 大分、別府、臼杵、津久見、竹田、豊後大野、由布各市と日出町は、22日、大分市のオアシスタワーホテルで、2回目の「大分都市広域圏推進会議」を開いた。総務省の広域圏形成のモデル事業に選定された大分市を圏域の中心市とし、各市町の連携で活力ある地域経済を維持し、住民が安心して快適な暮らしを営むことができる圏域の形成を目指すもの。
 会議には8市町の首長が出席。佐藤樹一郎大分市長が、同市が圏域全体で中心的な役割を担う意思を表明する「連携中核都市宣言」を読み上げ、参加者の同意を得た。宣言では、圏域が東九州の要衝で、雄大な自然と温暖な気候に恵まれ、良質な食材が豊富な魅力と特色にあふれている一方で、少子高齢化で行政サービスを継続的に提供できなくなる心配があり、住民の暮らしを支えていくため連携を進める必要がある―とした。
 次いで「大分都市広域圏域ビジョンの素案」を事務局が説明。ビジョンの中で挙げられている基本連携項目と取り組み内容は抽象的な記述にとどまるが、観光客の利便性向上や住民への防災情報提供のための広域情報ネットワーク整備に向けた広域無線LANの構築については、大分、別府、由布各市が既に共同で取り組み始めている。
 参加した首長らは、各地域が持つ独自の強みを磨くとともに、道路ネットワーク整備のように連携が不可欠なところを深く検討、実施して地域の活性化に努めたいと述べた。オブザーバーの県は、「中核市に依存するような連携では効果がない。お互いに切磋琢磨する部分と連携を深めるところを見極めることが大切だ」と述べた。
 広域圏推進に関連して、事務局が住民・企業対象にアンケート調査を実施。その結果を報告した。
【住民】
 「今後の公共交通のあり方」の問いでは、約8割の住民が主に自家用車を利用しており、日常的には公共交通は利用していない。一方で日常の移動に家族の送迎を必要としているなど「買い物弱者」も約1割おり、高齢化の進展に伴い、今後買い物弱者の増加が心配される。
 「今後の公共施設のあり方」では、近隣市町村の公共施設共同利用に賛成する人が85・2%で、反対は14・8%にとどまった。反対の理由は、施設への距離が遠く所要時間が長くなる、施設の予約が取りにくくなる、など利便性の低下を挙げる意見が多かった。
 「今後の医療体制のあり方」では、居住地域の夜間・救急医療体制に不安を感じている住民が約4割。夜間・休日や災害時などに365日、24時間いつでも対応可能な救急医療体制を構築することが望ましいとした。
【企業】
 企業間競争・人材確保面で厳しい状況にあることがうかがえ、新分野進出の意向を持つ企業が半数近くにのぼり、介護・福祉、小売分野に関心が高い。今後の公的産業支援については、資金や人材確保の面で支援を求める企業がいずれも3割超ある―と報告した。

提供:大分建設新聞社