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大分建設新聞社
2015/12/23

【大分】災害避難時に活用、「かまどベンチ2号」製作

 大分工業高校の土木科(深水理恵学科主任)3年の生徒10人が、災害避難時に利用してもらおうと、避難場所になる体育館横の剣道場裏空き地に、普段はベンチとして利用する、かまど3基を並べた「かまどベンチ2号」(縦73a、横208a、高さ45a)を製作。17日、近隣の住民10人などを招き、大鍋3個で豚汁の炊き出しをした。
 高倉信二校長が「南海トラフ巨大地震が発生したら県内も当然影響を受ける。学校が高台にあるので、近隣以外の低地住民も避難してくる場所になる。土木科では、公共工事や、防災を含めた、災害発生時の復興についても授業しており、生徒らがみなさんのために形に残したいと製作した。末永くご愛用いただけたら」とあいさつ。
 かまどベンチは、課題研究として26年度卒業生がレンガ製の1号を製作し、27年度はさらに耐久性を高めた鉄筋コンクリート製に。測量から始め、床堀りなどの基礎工、型枠工、鉄筋工、コンクリート打設などして、金ごてを使い仕上げた。
 小野達哉君は「土木構造設計の授業で、東日本大震災や九州北部豪雨などの被災状況を映像で見て、怖さとすごさを感じた。作業は、スコップで設置面を掘るのが大変だったが、みんなで頑張ってきれいに仕上げた。災害は起きてほしくないが、かまどが避難者の心と体を温かくできたらうれしい。これからも人命を大切にして、社会に貢献したい」と話した。
 清松幸生学校防災アドバイザーは「学校が地域住民の避難時の対応を検討し、生徒らが自ら考え行動していることを評価したい」と話していた。

提供:大分建設新聞社