日本工業経済新聞社(山梨)
2015/12/22
【山梨】16年度橋梁点検一括発注、5月末契約目指す
県内の道路管理者で組織する県道路メンテナンス会議の2015年度第3回会合が18日に開かれ、16年度の橋梁点検の一括発注計画を県建設技術センターが説明した。15年12月まで市町村の意向調査を行い、16年3月末までに点検発注の組み合わせを検討。5月末までにコンサルタントとの委託契約を締結し、発注する。
地域一括発注は、市町村管理の道路橋などの点検業務を県建設技術センターがまとめて発注する方法。14年度から取り組みを始め、14年度は甲府市24橋、丹波山村3橋の合計27橋を対象に実施し、8月に契約、15年3月に納品された。
15年度は、11市町村の494橋を4工区に分けてコンサルタントへ業務を発注し、点検を進めている。担当は@甲府市・市川三郷町が日本工営A韮崎市・南アルプス市・山梨市がサンポーB身延町・南部町・早川町が雄測量設計C富士河口湖町・道志村・丹波山村が富士エンジニアリング。16年2月15日がセンターへの納期で、3月15日から25日の間に市町村へ納品される予定。
センターによると、15年度の点検橋梁について、現在のところ判定区分がW(緊急措置段階)の橋梁は無いが、点検対象は小さい橋が多く、内空断面が小さく内部を近接目視できない橋や出入口が確認できない橋などがあり、点検のための樹木伐採の費用負担や、道路台帳には登録されているが使用されていない橋の取り扱いなどの課題も出ている。センターでは、関係者と協議して対応していきたい意向を示した。
一方で、センターが一括発注を行うことの利点として@点検発注規模を大きくすることによるコスト縮減Aセンターの技術支援による質の確保B市町村担当技術者の業務の省力化Cデータを一元管理できる―などを挙げた。
第3回会議で、会議会長の田中克直国土交通省甲府河川国道事務所長は「本年度の点検はおおむね順調に進んでいる。老朽化対策の重要性の広報も行っており、県内でも浸透してきている」と、会議の成果を報告した。