旭市は、本年度でまとめた「旭市新庁舎建設窓口・執務環境現況調査業務」の報告書の概要を明らかにした。新庁舎建設の基本計画の策定に先立ち、現在の執務状況を調査し、新庁舎の機能と適正規模(延べ床面積)を算出。必要機能を@市民協働スペースA相談・窓口スペースB事務スペースC議会スペース――の4つにまとめ、執務環境に応じて面積を算定し、A案(1・7万u)、B案(1・4万u)、C案(1・1万u)の3案を提示した。
同市の場合、執務室内の保管文書量、書庫等にある保存文書量、物品量が他の自治体に比較してかなり多くなっているとして、書庫・倉庫スペースについて「新庁舎の適正規模実現のために6割削減を目標とする」ことを求めた。
新庁舎の床面積は、文書・物品を削減しないで現状のまま移転した場合(A案)が1万7827u、文書・物品を削減した場合(B案)が1万4089u、文書・物品を削減し、課・スペースを見直した場合(C案)は1万1709uとした。基本構想では面積を1万2000uとしており、文書・物品の削減と課・スペースを見直すことで同構想規模での実現が可能となる。
調査は、現在の庁舎のスペース利用状況、什器・機器等のレイアウト、執務室環境全般の状況・課題について把握する「現状レイアウト調査」と、各課や全職員、来庁者を対象に実施したアンケート調査の結果をもとに、新庁舎の適正規模(床面積)を算定した。
アンケート調査では、執務環境の実態を調査し、必要スペース、室数を算出。会議室をオープン打ち合わせ2か所・会議室18室、相談スペースを相談ブース3か所・相談室3室、窓口数を通常期36、繁忙期46、各課が業務執行上必要となる所室の必要面積を2109uとした。
文書量は執務室内の保管文書量が2770・2fm、書庫等の保存文書量が4050・4fm、物品量が906・34立方mで、他の自治体と比較し多くなっているとして、庁舎面積の約10%を占める書庫・倉庫スペースについてファイリングシステム(文書管理)を徹底し、「新庁舎の適正規模実現のために6割削減を目標とする」ことを求めた。
新庁舎は、旭文化の杜公園のゲートエリア付近を候補地に建設を検討。本年度で都市計画の変更に向けた手続きが進められている。
事業スケジュールは、年度内に庁舎の位置を決定するとともに、都市計画決定を行い、来年度早々に基本計画に着手し、10月ごろまでに完了させる。その後、設計者を選定し、12月から基本設計に着手、18年1月に実施設計を終わらせ、同年2月に着工、18年3月の竣工目指す。
同市では14年3月に基本構想をまとめている。基本構想では、敷地面積を約1万u、建築規模を約1万2000u、概算建築費を約50億円と想定。昨年度で基本設計に入る計画で当初予算に調査・設計委託費として5082万2000円を計上していたが、庁舎の建設位置が決まらず、執行が見送られた。
なお、新庁舎建設窓口・執務環境現況調査はイトーキ(千葉支店・千葉市中央区中央1―11―1)、都市計画変更に伴う図書の作成は千葉県まちづくり公社(千葉市中央区富士見2―3―1)が担当している。