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日刊建設タイムズ社
2015/12/21

【千葉】筆頭に「公共事業予算確保」/改正品確法で体制整備も/関係直轄5事務所と千建協が意見交換

 国交省関東地方整備局の県内関係直轄事務所と(一社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)との意見交換会が17日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、総勢37人が出席。受発注者双方が抱える諸問題の改善に向けて「業界」と「国」が率直な意見交換を行い、お互いが「パートナー」として一体的に取り組むことが目的。協会側からは、@公共事業予算の安定的・持続的な確保A改正品確法の順守徹底に向けた体制整備B発注関係事務の適切な実施C低入札価格調査基準(最低制限価格)における「一般管理費等」の算入率の引き上げと上限枠の撤廃D入札制度・現場対応等――の5項目。直轄事務所側からは「入札参加者の入札意欲増進に関する取り組み」として、@入札参考資料に概略工程表を提示する試行A河川維持工事の実績を評価する試行――についてそれぞれ提案した。
  協会から5項目
 この日の意見交換会には、発注者側として、県内で工事を行う千葉国道事務所、利根川下流河川事務所、江戸川河川事務所、首都国道事務所、常総国道事務所から合わせて14人。受注者側として、協会から正副会長をはじめ各支部長、土木技術委員会正副委員長ら23人が出席。双方を代表して、松浦利之・千葉国道事務所長と鈴木会長があいさつした。
 アイコンストラクション視野に
 この席で松浦事務所長は、本年9月に発生した関東・東北豪雨について「県内企業のみなさんからも多大な協力を頂いたことに対し、まず感謝申し上げたい」と謝意を示した。また、トピックの話題として、石井大臣のリーダーシップのもとに国交省では、今月15日に『アイコンストラクション委員会』を立ち上げたことに言及。「目的として謳われているのは『建設現場における一人ひとりの生産性を向上させ、企業の経営環境を改善し、建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るとともに、安全の確保を推進していく』ということで、年度内には一定の方向性をまとめると聞いている」と説明。さらに「その中ではICT技術の全面的活用、規格の標準化、施工時期の平準化の3つを主な提案として取り上げ、議論が始まっている」と紹介した氏は「これらも注視しながら、県内の事業についても生産性の向上が図られればと考えている。本日は忌憚のない意見交換としたい」と述べ、あいさつとした。
 平準化や適正工期の設定に危惧
 これを受けるかたちで鈴木会長は「先般の関東・東北豪雨による鬼怒川の決壊による尊い人命の損失と、社会・産業基盤の損壊をはじめ、国内の火山活動が活発化し、各地で住民避難が行われたニュースなどが記憶に新しい」と述べたうえで「私ども県内建設業も災害時の業務協定等に基づき、国、県の出先機関等とも連携して対応しているが、こうした自然災害は、突然、予想もしない形で襲来することを意識し、常に警戒心を持ち続け、備えていくことが重要だ」と指摘。
 一昨年に成立した国土強靱化法については「基本計画に基づく国と地方自治体、建設産業界、国民が一体となって自然災害に強い国土づくりに向けた取り組みを具体化し、前進させていくことこそ重要だ」と強調。また、本年度で改正品確法の運用徹底に向けた対応が進められたことについては「発注の平準化や適正な工期設定など、市町村を含めた発注者側の対応が『今一歩の状況に留まっているのではないか』と危惧する見方が拡がっている」と訴えた。
 自助努力とともに提案活動の強化を
 一方、県内建設業界では、東京オリンピックの開催に向けた施設整備など、大規模な建設需要や国内で発生した大規模災害に人員や物資が流れていく情勢への対応が大きな課題として浮上することを指摘した氏は「私ども県内の建設企業としては技術者・専門工事業者がいない、資機材が調達できない等の理由で公共工事に参加出来ない、自然災害が発生しても出動できないといった事態に陥ることがないよう、自助努力とともに、関係機関への提案活動を強化していかねばならない」と強調。
 この日の意見交換会については「冒頭に、敢えて国の公共事業予算の確保に関する提案も入れ、現場からの生の意見も交えて、直面する懸案事項の解消を求める意見を用意している。要望趣旨を理解され、踏み込んだ見解を示して頂きたい」と要望し、あいさつを結んだ。k_times_comをフォローしましょう
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