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北海道建設新聞社
2015/12/22

【北海道】建設労働者不足など背景に技能講習修了者が11年度から増加傾向 

 建設業労働災害防止協会北海道支部は、道内17分会が開いた作業主任者など各種技能講習の修了者実績をまとめた。1972年に労働安全衛生法が制定されて以降、2014年度までに足場作業主任者など36講習で計51万6326人に修了証を交付した。公共事業の削減で最も建設投資額が低下した11年度から着実な増加傾向をたどっている。建設市場の回復に伴う建設労働者の不足や安全管理体制の徹底が背景にあるとみられる。
 労働災害を防止するため、建設現場の専門工事では従事者を指揮する作業主任者を配置したり、従事者は職種に応じて技能講習の受講が義務付けられている。建災防道支部の各分会は、北海道労働局の登録教習機関として技能講習を主催し、受講者に修了証を交付している。
 労働安全衛生法が施行された72年2月に始まった足場作業主任者講習が最も古く、14年度までの修了者数は7万5548人に上る。次いで地山掘削作業主任者が5万5521人、土止め支保工作業主任者5万5343人、型枠作業主任者5万344人、玉掛け作業者4万9687人、車両系建設機械再教育4万2689人。建設従事者を対象に03年度から始まった安全衛生教育は3万1138人が受講している。
 分会の中では札幌が14万3451人と最多。旭川が4万1303人で続き、北見3万8867人、函館3万6383人、滝川2万9383人、帯広2万9336人、名寄2万5146人、釧路2万3511人、室蘭2万2747人、岩見沢2万1452人などと続く。
 しかし本道の場合、積雪寒冷地を対象に季節労働者が冬季に技能講習を受講し、資格を取得できる通年雇用安定給付金制度(通称・冬期雇用援護制度)が06年度に廃止となってから、受講者が大幅に減少した。車両系建設機械などの講習も民間の登録教習機関が年間を通じて開講するようになっている。
 公共事業の削減やリーマンショックが重なり、開講回数や受講者は落ち込む一方だったが、安倍政権が公共投資を積極化させると建設技能労働者の不足が著しくなり、緩やかに修了者数が回復してきた。
 この42年間の年平均受講者は1万2000人余り。過去4年で北海道開発予算が最低額を記録した11年度に7090人だった修了者は、14年度になると9503人と1万人台に迫っている。13年度は1万816人と1万人を突破したが、これは車両系建設機械(解体用)の特例講習に受講者が3000人以上と急増したためだ。
 現在は、通年雇用奨励金が事業主に支給され、技能講習の受講などに役立てられて季節労働者の通年雇用化を促進している。しかし、将来の担い手を確保する安定的で持続的な公共事業量が見通せない中、技能者の育成が順調に推移するかどうかは予断を許さない状況にある。