今治市は、国家戦略特別区域に指定されることが決まったことを受け、今後、国など関係機関と協議し、特区制度を活用した地方創生の実現に取り組む。しまなみ海道(西瀬戸自動車道)と今治新都市を中核に、教育や観光などの分野で国際拠点の形成を目指す。
15日に総理大臣官邸で開催された国家戦略特別区域諮問会議で、全国10番目の特区に決まった。対象区域は今治市および広島県。しまなみ海道でつながる両エリアを対象に、産官学連携による観光・教育・創業など多くの分野でイノベーションを創出する。
今治市は、特区提案として▽獣医学部の誘致▽民間主導による「道の駅」の設置・運営▽小型無人機(ドローン)による公共インフラの保守管理―などを掲げている。
市の提案によると、今治新都市に新しい大学獣医学部を誘致・設置する。四国には獣医師を養成する機関がなく、感染症・伝染病の防疫対策が大きな課題となっているという。
また、「道の駅」の設置・運営を民間に開放する。民間の知恵やノウハウを活用した個性豊かなサービスの充実を図る狙い。
さらに、公共インフラの点検業務を効率化するため、小型無人機を活用した点検を行う。しまなみ海道の橋梁保守点検で、高性能カメラを搭載した小型無人機を活用する考えだ。
特区制度による拠点形成の主な舞台となる今治新都市は、全体の計画面積が約170f。UR都市機構が事業主体となって企業誘致が推進され、直近では日本食研ホールディングスが5万平方b超の土地を取得し大型工場の建設を発表するなど、産業の拠点形成へ向けた動きが活発となっている。
提供:建通新聞社