トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2015/12/16

【群馬】県西部農業が烏川の構造物補修


農業施設の長寿命化や老朽化対策の一環で県西部農業事務所は、本年度から新たに、烏川流域の木工沈床の補修や頭首工の修復事業に着手した。現場は高崎市の君が代橋、町屋橋付近。施設は近隣の農業用水の確保のほか災害対策の役割も担う。同事務所は本年度設計を作成しており、来年度の着工を目指す。
地域の農業振興に欠かせない河川施設も他のインフラ同様各地で老朽化が進む。同事務所は、できるだけ施設を長持ちさせ維持管理コストを縮減するため、完全に壊れる前に予防的な修繕を行っている。
本年度は烏川流域の構造物の補修、増設を行う事業を新たに計画。同事務所は主要箇所として「烏川合口地区」(同市並榎町など)と「長野堰頭首工地区」(同市本郷)を挙げた。
烏川合口は国道17号と国道18号がつながる、君が代橋付近が現場。1960年に護床を保護する木工沈床が橋下に設置されたが、老朽化が進み機能が低下。洪水などによる損壊の可能性もあるため、補修することにした。
木工沈床は丸太を交互に組み合わせ、各層の間に玉石などを入れるという、護床保護の工法。素材間に隙間ができるため魚の生息場所にもなり、環境への影響が少ないとされる。
今回は既存の木工沈床(8層3連)の一部補修に加え、新たに8層を4つ、10層を1つ増設。さらに護床ブロック(4t型)を新設して補強する。
木工沈床増設の面積は約108u。護床ブロックは62個、計205uになる見込み。設計は黒岩測量設計事務所(前橋市)が担当した。総事業費は7000万円を見込む。2016年度から工事に入り、17年度中の完成を目指す。
長野堰頭首工は、現在橋の増設工事が進む町屋橋付近に位置する。1973年建設と古く、土砂吐きのエプロンなど摩耗による劣化が著しい。
今回はエプロンのクラック対策として、コンクリートの打ち替えなどを行う。またエプロンに続けて護床ブロックを追加する。護床ブロックは4t型を110個設置する予定という。
設計は藤和航測(前橋市)が担当。烏川合口地区と同様に来年度から2カ年での整備を予定する。総事業費は約1億1200万円。