国土交通省近畿地方整備局と建設コンサルタンツ協会近畿支部(兼塚卓也支部長)の意見交換会が12月10日に大阪市内で行われた。協会側は、設計業務の品質向上の取り組みとして、受発注者合同現地踏査の範囲拡大や納期設定の目標見直しなどを要望。近畿地整側は、大半の要望に前向きな姿勢を見せた。
設計業務の品質向上の取り組みでは、現在、2000万円を超える詳細設計業務を対象に実施している受発注者合同現地踏査の対象範囲を、全ての概略・予備・詳細設計業務に拡大することや、詳細設計業務で実施している業務スケジュール管理表についても、全ての概略・予備・詳細設計業務に拡大し実施することを要望した。
近畿地整は「今後検討を進めたい」と答えた。
納期の設定については、現行の国交省の目標を前倒しする形で見直し、12月末までに50%(現行25%)、1〜2月末までに20%(同25%)、3月末までに30%(同50%)とするよう求めた。対して、近畿地整の担当者は、個人的な見解と断りつつも「平準化にもつながる。古い目標は見直すべき時期に来ているのかもしれない」と理解を示した。
地域コンサルタントの積極的な活用では、▽地域コンサルタント向けの通常型指名競争入札方式の積極的な活用▽簡易公募型プロポーザル方式の地域精通度評価を高く設定▽総合評価落札方式(業務能力評価型)の実施拡大▽同方式(業務チャレンジ型、成績・表彰の評価なし、国・自治体実績の差なし)の早期実施と拡大―の4点を要望。総合評価の業務チャレンジ型については1件の実績があることを報告。近畿地整は、来年度も積極的に実施していく考えを示した。
このほか、行政事務補助業務の落札通知時期を早めることや女性技術者の活用に向けた評価基準の緩和などを要望した。
また、近畿地整と同支部とで作成中の設計条件明示マニュアル案の中間報告があり、2016年度からの運用に向け、3月までにまとめることなどを確認した。
提供:建通新聞社