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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/12/14

【群馬】群馬県森林・林業基本計画の見直し案


県環境森林部は11日、「森林・林業基本計画の見直し案」を群馬県森林審議会(会長・八木原勇治群馬県森林組合連合会長)に提示した。素材生産量40万立方mの目標を1年前倒しし「林業県ぐんま」の実現を加速させ、林業の成長産業化を目指す。豊富な森林資源を循環的に利用し、川上の素材生産、川中の加工・流通、川下の木材利用に至る取り組みを一体的に発展させていく。利用間伐や皆伐の推進、集約化施業の推進、A〜D材の集荷拠点の整備などに重点的に取り組んでいく。
森林・林業基本計画の見直しは、素材生産量40万立方mの目標を、従来の2020年度から19年度に1年前倒しし、林業県への飛躍に向けた取り組みを加速させる。さらに、計画目標年度以降の本県のあるべき林業の姿を構想し、施策の方向性を示すこと、林業の成長産業化により活力ある地域創生に寄与することなどを趣旨としている。
主要施策には@持続経営可能な森林づくりA効率的かつ安定的な素材生産体制の整備B加工・流通体制の強化C県産材の利用拡大および県外需要の開拓D林業の担い手などの確保・育成Eきのこ産業などの振興F公益的機能の高い森林づくりG森林を支える仕組みづくり−の8本柱を並べた。現行計画からは「効率的かつ安定的な」「県外需要の開拓」などの文言を追加、素材生産量を増大させていく。
重点取り組みの方向として◇利用間伐や皆伐の推進◇集約化施業の推進◇A〜D材の集荷拠点の整備◇加工・流通体制の強化◇木質バイオマスの利用促進◇県内建築用材のシェア拡大−を打ち出した。
素材生産量40万立方m/年の達成に向けて、2000ha/年の利用間伐と300ha/年の皆伐を推進する。また、集約化施業に不可欠な森林経営計画の策定支援や県の普及指導体制の強化。人材育成や路網整備、高性能林業機械などの導入を推進し、作業の生産性を高めていく。
さらに、効率的にA〜D材を集荷するための中核的集荷拠点や原木輸送体制整備などを支援し、木材資源を余さず有効活用する体制を構築する。
計画最終年となる19年度の数値目標も具体的に盛り込んだ。例えば、14年度末で1万4000haだった森林経営計画面積は6万8000haを目指す。同計画区域での路網開設延長は11〜14年度末の4年間で227qの実績となっているが、19年度までの目標を1300qとした。15〜19年度の5年間で1000q以上の開設を目指していく。強力に路網開設を推し進めていくことになりそうだ。
「公共建築物等の木材利用促進に関する方針」は県内全市町村での策定を推進する。全県下で公共建築物のほか、公共土木事業にも県産材を積極的に使用する体制づくりに努めていく。
治山事業もさらに促進し、災害に強い森林づくりを進める。11〜14年度末の実績は318haとなっており、19年度までに600haを目指す。
青木勝部長は森林審議会でのあいさつの中で「地方創生は地域の資源を生かすことが基本。県の資産である森林を最大限活用する」と語った。