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北陸工業新聞社
2015/12/11

【富山】公共事業予算の増額など/県建設業協会が知事に要望

 富山県建設業協会の近藤駿明会長らは10日、県庁に石井隆一知事を訪ね、真に必要な社会資本整備と維持管理の計画的な推進へ、公共事業予算の増額などを求める要望活動を行った。
 この日は協会から近藤会長や竹内茂、山本隆両副会長、常任理事10人ら17人、県側は石井知事、林正之土木部長、須沼英俊農林水産部長のほか、担当課長らが出席。冒頭、近藤会長が石井知事に5項目からなる要望書を手交した上で、牧田潔専務理事が要望内容を県側に説明した。
 石井知事は公共事業予算の増額要望に対し、「公共事業予算をしっかり確保することは、どんなに財政が苦しくても取り組むべきこと。今年の予算は残念だが、新幹線開業に合わせた新幹線駅へのアクセス道など、国にも相当無理をしてもらった部分がある」と述べた上で、今後の事業では「東海北陸自動車道や富山高山連絡道路、入善黒部バイパス、高岡環状道路、豊田新屋立体化、河川関係など挙げればいっぱいある。土地改良事業の重点配分も含め、来年度予算の確保へ精一杯頑張りたい」と応じた。
 さらに、工事発注の平準化や第1四半期の施工量の増大を求めた点で知事は、「昨年の11月補正で、ゼロ県債を11億円から16億円に増やし、今年はさらに積み増し18億円にした。平準化は土木部もかなり真剣に進めており、引き続きしっかり取り組んでいく」との考えを示した。
 入札契約制度改革に関し知事は、「地元企業への受注機会を求めることはわれわれも同じ気持ち。原則、県内企業に発注するよう努力しているが、さらに徹底したい」と話し、「低入札が続くと、建設業界が健全な形で存続できなくなる。豪雪や災害時はもちろん、通常時も建設業が健全でなければわれわれも困る。県は国の制度に合わせているが、県として工夫する余地があるか検討したい」との考えを説明。また、「市町村の歩切りは合理的でなく、県としてはいかがなものかと話しをしている。来年度ぐらいには全市町村で廃止されると期待している」との見通しを示した。
 担い手の確保・育成対策への支援を求めたのに対し知事は、「とやまの土木見学会やパンフレットの作成、資格取得の支援なども行っている」と理解を求めた。
 近藤会長は、「土木専業の会社は公共事業のウエイトが高く、特に厳しい。担い手の確保では待遇・処遇も含め、安心して働ける環境になることが必要。健全経営に向けた適正価格での発注をお願いしたいが、いろんな問題がリンクしており、トータルがうまくいかないと解決しない」と実情を訴えた。
 以下、主な要望内容。
 (1)公共事業予算の増額について 県で策定中の国土強靭化地域計画などに事業量を具体的に明示するとともに、県の16年度公共事業予算が、今年度予算を大きく上回るようお願いしたい また、今年度国において補正予算が編成された場合は、充分な公共事業予算の獲得と早期予算措置もお願いしたい
 (2)工事発注の平準化や第1四半期の施工量の増大について 工事発注時期に関して、国や市町村など他の発注機関と年間を通した調整が図られた平準化をお願いしたい また、繰越制度や債務負担行為の活用による気候の良い第1四半期の施工量の増大や、適時発注のための測量や設計、事業用地のストックの確保もお願いしたい
 (3)入札契約制度改革について
 ▽地域に貢献する技術力・経営力の高い企業の受注機会の拡大と受注額の増大について
 ▽低入札対策について 予定価格に対する低入札調査基準価格の割合が90%を超えるように、また、失格基準の一つである絶対基準の価格の割合がこれまでの割合を超えるように、それぞれの算定率の見直しをお願いしたい
 (4)改正品確法の順守状況の検証と強力な指導について 県内市町村の法令順守状況を検証していただき、仮に順守されていない場合は是正を勧告するなど強力な指導をお願いしたい
 (5)担い手の確保・育成対策について 今後とも若年者を対象とした戦略的な広報活動の推進と、企業が若年者の定着を図るために取り組む労働環境や、労働条件の改善などに対する支援をお願いしたい

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