高知市は、中学校の完全給食実施を目指し、針木と長浜の2カ所で給食センターを新築するため、設計業務の一般競争入札を行った結果、を宮建築設計(徳島市)が落札した。設計期間は2016年10月31日まで。
城北、城西、愛宕、朝倉、西部、旭の6中学校を対象とした北西エリアは、針木北1ノ991ノ2ほかの針木浄水場内にある敷地約8000平方bに建設。潮江、一宮、青柳、三里、南海、横浜、春野の7中学校を対象とした南東エリアは長浜宮田2000ノ7ほかの高知競馬場第2駐車場の一部となる敷地約6280平方bへの建設を計画している。両施設とも規模は鉄骨造(階数未定)延べ3610平方bを想定、1日当たり3000食を調理する能力を持たせる。
施設内に配置する所要室は、配送車専用の車庫、運転手控室、配送前室、コンテナ室、炊飯室、焼物・揚物・煮物室、下処理室、検収室、アレルギー対応調理室、食品庫、仕分室、調理室、和え物室、皮剥室、回収前室、残菜処理室、準備室、機械室・電気室、事務員用と調理員用の事務室、会議室、調理実習室、洗濯・乾燥室、食堂、男女別の休憩室、職員用と調理員用の男女別更衣室、男女別のシャワー室、見学通路、玄関、エレベーター、内部階段、一般と調理員用の男女別トイレ、多機能便所。このほか、備蓄倉庫、駐車場、駐輪場(屋根付き)、舗装・囲障などの外構、設備スペース、太陽光・熱利用設備、燃料備蓄設備を整備する計画。
基本方針としては、機能的で衛生面に優れた施設とするため、汚染作業区域・非汚染作業区域・その他の区域のゾーニング計画と衛生器具などの適切な配置の検討、汚れにくく清掃性に優れた仕上げ材の選定・ディテールの工夫を行う。食育の推進に向けては調理実習室や見学通路など学習環境を整備する。大規模災害時の炊き出し拠点となる災害に強い施設整備とするため、構造体の耐震性能に関して基本設計時に比較検討を行い、災害時の電源喪失時に施設の一部が自立運営可能なエネルギーシステム構築の検討を行う。
また環境性能に優れた施設とするため、太陽光・太陽熱利用やコージェネレーションによる熱源供給など、一次・二次エネルギーと再生可能エネルギーをベストミックスした高効率な自立型エネルギーシステム構築の検討や、ライフサイクルコストの比較による維持保全費や環境負荷の低減の検討、エネルギー・マネジメント・システム導入の検討などを行う。
建築設計に並行して、開発造成設計を北西エリアは宮崎測量設計コンサルタント(高知市)、南東エリアは都市開発コンサルタント(高知市)に委託し進めている。造成工を17年年明けから夏まで進め、同年秋に給食センター本体の建築工事に着手する予定。工期は約10カ月で、試運転を経て18年度中の供用開始を目指す。
提供:建通新聞社