静岡市の歴史文化施設建設に向け9日、第3回建設検討委員会(座長・中村羊一郎元静岡産業大学教授)が開かれ、市は基本計画案を提示した。それによると、注目の民間施設との併設案については、「基本的なスタンス」という表現にとどめたものの、施設のみの規模は延べ5000平方b、事業費総額は約62億円とした。
検討委員会は今回が最終だったが、答申などは取りまとめず、今後は市がパブリックコメントなどを経て、2015年度内に基本計画をまとめる。16年度は民間との複合施設化の手法などについて検討、17年度には運営計画を取りまとめて設計に入るとともに、既存施設の解体、発掘調査などを行う。建築設計と展示設計は17〜18年度、建設工事は19〜20年度に予定、21年度開館の運びとなっている。
同施設は、旧青葉小学校跡地(葵区追手町4ノ16)の候補地に、静岡市の歴史文化を紹介する博物館として計画されており、ホテルやコンサートホールなどとの併設案が持ち上がっている。同所の容積率は600%、建ぺい率は80%。
施設規模については、再検討した結果、展示エリア1350平方b、ビジターセンターエリア1150平方b、市民交流エリア580平方b、収蔵エリア1210平方b、管理運営エリア410平方b、その他3000平方b―となっている。観光客を取り込むためのビジターセンターには、エントランス、ショップ・カフェ、観光案内情報コーナー、歴史体感展示を計画している。
また、運営方式については、公営(直営)、民営(指定管理者制度)、公営+民営の3方式の中から決定する。
基本方針では、歴史文化遺産の展示・保存と学術研究拠点の核、「歴史文化のまち静岡」の観光の核、文化活動による地域産業の活性化施設、郷土学習の拠点、歴史研究の情報交換ネットワーク拠点、市民と進化する施設―としている。
提供:建通新聞社
(2015/12/11)
建通新聞社 静岡支社