建設新聞社
2015/12/10
【東北・青森】久米設計が最優秀/総合保健センター新築の公募プロポ
青森県八戸市は、八戸市総合保健センター(仮称)建設事業基本設計業務委託について、公募型プロポーザル方式により委託者の選定を進めていたが、久米設計を最優秀に特定した。今後同社と随意契約する方針で、履行期限は2016年7月22日まで。次点はINA新建築研究所だった。なお、参加事務所は7社で一次審査を通過した4社(久米設計、INA新築研究所、佐藤総合計画、梓設計)でプレゼンテーションを行い選定した。
業務内容は、同センター(市整備分)等の基本計画・基本設計、(関係団地整備分の建築物・駐車場配置等検討含む)および工事費概算書・維持コスト検討書作成、基本計画・基本設計の内容説明、会議への参加・協力(プレゼンテーション、資料作成等)など。
計画では、同市田向地区土地区画整理事業地51ブロック(市民病院西側)の3万3209平方bに、市が整備主体となり、保健所・保健センター(想定延べ面積約6000平方b)、休日夜間急病診療所・休日歯科診療所(同約1400平方b)、こども支援センター(同約1600平方b)、介護・認知症予防センター(同約900平方b)の各センターを設置するとし、総延べ面積は約9900平方bを想定している。各センターを集約した建物とするかどうかについては、今後詰める。
また、八戸市医師会が整備主体となる臨床検査センター(同約1350平方b)や、八戸市薬剤師会の休日夜間薬局(同約150平方b)、八戸市総合健診センターの総合健診センター(同約5000平方b)を今回の総合保健センターに併せてそれぞれ整備する。
審査は、「(仮称)八戸市総合保健センター建設事業設計者選定プロポーザル審査委員会」(委員長・滝田貢八戸工業大学土木建築工学科教授、副委員長・馬渡龍八戸工業高等専門学校産業システム工学科准教授ほか)が行った。
最優秀となった久米設計案は、八戸地域の気候や風土、建設予定地の周辺環境を調査・分析し、八戸環状線からの視認性、冬季の季節風の影響などを考慮して東向き(市民病院側)にエントランスを設けるなど的確な配置計画の提案で、北側商業施設との連続性や、南側の低層化により住宅地や街路への圧迫感の低減を意識し、まちなみへの配慮が感じられた。機能ごとにまとめたゾーンニングは、効率的な管理運営やセキュリティの確保だけでなく、利用者動線の最適化、プライバシー保護などにも繋がる。建物の意匠に関しては手堅い提案がなされたが、総合的な実現可能性が最も高い提案であることなどが評価された。
今後、16〜17年度で実施設計、17年度の着工、19年度の完成、20年度の供用開始を目指す。なお、9月補正予算に基本設計費として2300万円を措置している。
提供:建設新聞社