松山市は、道後温泉椿の湯別館を建設するため、2016年1月の着工を目指しているが、隣接する拡張敷地の用地買収が一部難航しているため、発注時期は流動的となっており、事業計画は遅れがでるもよう。隣接する同施設の拡張敷地内には建物8棟があり、市は12月末までの退去を求めているが、一部の地権者は応じない方針を示す。
椿の湯整備事業の現計画の認定期間は12月12日までとなっており、一部地権者は市が再認定を行う際に、意見提出する方針。
椿の湯別館建設は、えひめ国体(17年秋)終了後に計画されている道後温泉本館の改修期間中(6カ年を見込む)の観光資源や入浴客の受け皿として、国体開催までの完成を目指し整備が計画されている。拡張用地は既存敷地隣接地(西側)の民有地1450平方b。場所は道後湯之町19。
別館の規模は鉄筋コンクリート造2階一部3階建て延べ1500平方b程度(露天風呂部分を含む)。建物は木板などの素材を施し木質化が図られる。設計は鳳建築設計事務所(松山市)が12月末完了目指し進めている。
施設内容は、エントランス前に広場的な中庭を整備し、周囲を回廊でめぐる。3階には周辺景色を眺めることができる物見塔を整備。休憩スペースでは、道後温泉本館2階以上の休憩施設と同様な機能を備えた140人程度が休憩可能なスペースを確保。
浴場では露天風呂や本館の又新殿を再現した浴室のほか、歴史的な観点から「女帝の湯」を模した女性や身体障害者が湯帳を着て入浴する専用浴室を整備する。
市は、15年度着工に向け当初予算に隣接する拡張用地の購入費2億1400万円と補償費3億3700万円を計上するとともに、6月補正予算で整備費として3億6805万円と17年度までの債務負担行為11億円(限度額)を設定している。
一方、既存の温浴施設椿の湯は、構造躯体に変更を加えず最低限の外・内部改修を行うとともに、老朽化している設備などの全面的更新が求められているが、改修時期は未定。既存施設規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ1553平方b、1984年建築。敷地面積は1717平方b(分湯場含む)。
提供:建通新聞社