鹿児島建設新聞
2015/12/08
【鹿児島】高専の今後の在り方、建築科の取扱いに注目
県内4校の県立高等技術専門校の今後の在り方について、2015年度末に国が第10次職業能力開発基本計画を策定することを受け、県でも次期5カ年計画を策定することが分かった。特に、離転職者を対象とする建築科は年々、入校率が低迷し就職率が低いため取り扱いに注目が集まる。7日、県議会一般質問で前野義春議員(県民連合)の質問に武盛武士商工労働水産部長が明らかにした。
県内には、吹上(自動車工学科、機械整備科、金属加工科)、宮之城(建築工学科、室内造形科、建築科)、姶良(情報処理科、メカトロニクス科)、鹿屋(電気設備科)にある。
生徒の募集状況は、入校試験を推薦と5回の一般入試の機会を設定しており、15年度の入校率は86%。最近の求人の高まりと入校率を高めるため、15年度は募集活動を早めて全科目で推薦入試を実施。その結果、14年度の同時期と比べると27%増加し、定員150人に対して102人の合格を出している。
訓練生に対する求人は、全学科で求職を上回っている。ただ、今後は少子化などに伴い、新規学卒者が減少して入校者の確保が難しくなる。特に、離転職者を対象とする建築科は求人の高まりを受けて年々、入校率が低くなり、就職率が低いために今後の在り方を検討する必要がある。
就職率は全体で12年度92・5%、13年度93・2%、14年度97・2%と年々高く。14年度においては、建築科が入校者の年齢が高いこともあり66・7%にとどまっており、メカトロニクス科90・9%、情報処理科94・4%だが、ほかの科目は100%となっている。
訓練科の見直しについては、社会経済情報を踏まえながら、県内企業のニーズなどに対応して、訓練科目等の長期的視点での設定や短期的見直しを行ってきた。
近年では、09年度に鹿屋校で訓練科目を見直し、14年度には吹上校の金属加工科で3級自動車整備士等の資格取得ができるようにカリキュラムを改訂した。
今後の見通しについては、15年度末には国が第10次職業能力開発基本計画を策定し県でもこれに合わせて次期5カ年の計画を策定する考えだ。