日本工業経済新聞社(山梨)
2015/12/04
【山梨】定住など議論/リニア駅周辺検討委員会
リニア中央新幹線の県駅(甲府市大津町)の周辺に県が構想している「リニア環境未来都市」について検討する委員会が3日に甲府市内で開かれ、県の考え方や定住、産業、観光・交流などのテーマを議論した。委員からは、定住のターゲットを絞った方が良いという意見や、エネルギーで「水素」が重要ではという意見が出た。また、県民からの整備アイデア募集の結果や若者のリニア利用意向調査の結果などを県が報告した。
県では、リニア駅周辺約24hに駅前広場や駐車場、観光・展望施設、公園、産業振興施設などを配置する基本方針案を2014年度に検討。その後、後藤斎知事が、従来の案を踏まえつつ山梨らしさを最大限に生かした「リニア環境未来都市」構想を打ち出し、検討委員会を本年8月に発足させた。
今月3日には第2回検討委員会を開催。県が整備の考え方や検討内容、関連政策などを説明した。
また、駅周辺整備について県民から募ったアイデアの結果を報告。提案された主なアイデアは、駅前では「豊かな自然をアピールする公園をつくる」「富士山を眺望できる施設をつくる」など。駅近郊については「ショッピングモールなどの商業施設」「宿泊施設」「サッカースタジアムなどのスポーツ施設」などがあった。さらに、県内大学生による整備アイデアの結果も報告した。
そのほか、県民や首都圏・中京圏の若者などを対象に実施したリニアについてのアンケート調査結果の概要も報告。
アンケートでは、首都圏住民で山梨県への移住を考えている人のうち約5割がリニア通勤を希望と回答。さらに、リニア駅前の景観について、「緑や水辺が広がる公園の中の駅」に魅力を感じると回答したのは、首都圏や中京圏の20歳代・30歳代では約8割に達し、県では「若者は都会的な景観よりも自然の景観に魅力を感じているのでは」と分析している。
検討委員会は今後も開催。議論を受けて県では、来年度に環境未来都市整備方針を策定する。
また県では、「リニア環境未来都市調査業務」を三菱UFJリサーチ&コンサルティング鰍ノ、「整備方針策定作業支援業務」をUG都市建築・オオバJVに委託して進めている。