伊賀市は、伊賀鉄道(伊賀市上野丸之内61ノ2)が運営する「伊賀線」への新駅設置計画の基本設計概要(案)を公表した。四十九町地内の設置位置を明らかにするとともに構造や事業費など具体的な計画を盛り込んだ。市が駅舎を建設し、完成後に伊賀鉄道に譲渡するため、2016年1月から実施設計に着手し、17年度の工事、同年度末の開業が見込まれる。1日に開かれた市議会・議員全員協議会で市側が説明した。
同事業は、伊賀市四十九町自治会からの新駅設置を求める請願を受けた市が事業化することを決めた。概要案によると、新駅の設置位置は、四十九町のイオンタウン伊賀上野の東側で、「桑町第3号踏切」から、20b南側を起点とした線路西側の鉄道敷地内。ホーム長さは47・4b。幅は2・2b。待合室を設ける。市道千日塚下教免線の踏切の西側からスロープ(延長27・7b、幅員2・6b)を設置して駅と接続させるとともに、イオンタウン側に階段を設けて直接連絡を可能とする。駅付帯施設として雨よけ屋根を設置する。ホーム、スロープなどを含めた必要な面積は約330平方b。200平方bの用地取得が必要となる。
概算工事費は1億7767万円を見込んでおり、主要事業の内訳を見ると、ホーム構築・スロープ設置に5687万円、信号整備に4560万円、ホーム上屋建築工事に1350万円、車両改良に1550万円などとなっている。
需要量については、18年3月の開業時には、1日の片道利用で550人と見込んでいる。
今後のスケジュールでは、16年1月から実施設計に着手し、同年6月に事業費を確定し、補助金概算要望を行う。並行して、同年7月から鉄道事業者が、鉄道事業に係る基本計画変更申請などを行う。補助金申請状況を見ながら17年6月ごろの工事着工を見込んでいる。市では、実施設計を15〜16年度で実施するための予算措置として、1日に上程した12月補正予算案の債務負担行為で、設計費4115万円の限度額を設定した。
基本設計、測量設計、地質調査はいずれも全日本コンサルタント中部支店(四日市市)が担当。
鉄道事業については、15年3月に、伊賀線を「公有民営方式」(伊賀市が第3種鉄道事業者)へ移行することで合意しており、17年4月から新体制で運営する。
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建通新聞社