大阪市が2015年度内の取りまとめを目指している、自転車通行環境整備計画の素案概要が明らかになった。市内中心部(北区、中央区、西区、福島区、浪速区、天王寺区)の自転車対歩行者の事故が15年間で約13倍に急増している現状を改善するため、中心部の自転車通行空間確保に重点を置く考えだ。
素案は12月中旬までにまとめ、続いてパブリックコメントの手続きに入る見通し。パブリックコメントの意見を踏まえて、自転車通行環境整備に関する検討会議(座長、山中英生徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授)で審議し、本年度末に計画としてまとめる予定。
整備の進め方では、道路状況や事故の発生状況を踏まえ、効果の早期発現が期待できる整備を重点的に実施する。具体的には、中心部の幹線道路で効果が特に見込める場所を先行し、車道左側通行を周知・誘導する路面表示を整備するとしている。また、幹線道路以外の細街路でもモデル整備を実施、効果を検証する。
そのほか、整備の効率性の観点から、道路整備・改良・補修などに併せて実施する方針も示している。
第2回検討会議では、幹線道路の事故多発交差点の交差点付近が重点整備の対象となること、今後5年間で2路線の整備を進めたいとする説明が大阪市から会議出席委員に示された。
中心部の幹線ネットワーク整備は、0・5`間隔を自転車ネットワーク路線として位置付け、幹線道路での自転車通行環境整備により、非幹線道路の自転車を幹線道路に誘導する考え。
中心部対象幹線は、新御堂筋・御堂筋、四つ橋筋、堺筋、天神橋筋・松屋町筋、天満橋筋・谷町筋、上町筋、都島通、扇町通、曽根崎通、土佐堀通、中央大通、長堀通、千日前通などが未整備幹線。なにわ筋、新なにわ筋は、現状では視覚的分離の自転車歩行者道(新なにわ筋の一部は自転車道あり)となっている。
提供:建通新聞社