香川県は1日までに県有の建物とインフラ施設も対象とする「公共施設等総合管理計画(仮称)素案」をまとめた。12月7日から2016年1月7日までパブリック・コメントを実施し広く意見を公募する。総務省からの「公共施設等総合管理計画」の策定要請を受け、各地方公共団体は策定指針やインフラ長寿命化基本計画を参考に、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための総合管理計画を策定する。県内でも香川県が素案を策定。高松市と観音寺市、多度津町の3市町がこれまでに策定済み。残り14市町も16年度末までに策定する予定。
県有公共施設等総合管理計画(仮称)素案は、県の公共施設等の状況と今後の課題等に加え、目指すべき施設管理の在り方の中で長寿命化など効率的な維持管理と更新のほか、適切な点検・診断などによる安全な公共施設等の維持や取り組み体制の整備など施設管理の大方針を示した。計画期間は16年度から25年度までの10年間。
また、県有建物(県営住宅、県立学校、警察施設、県立病院施設)とインフラ(道路、河川施設ほか)に分け個別に施設管理等の方針を定めている。
県内の公共施設等はことし4月1日現在で3936棟。延べ面積は約191万平方b。知事部局が県営住宅含め53・4%と最も多く、教育委員会32・8%、病院局・水道局7・5%、警察本部6・3%と続く。また、全体の4分の1の25・2%の建物が築40年以上経過。10年後には割合がさらに約48・1%、20年後には67・9%まで上昇し老朽化が急速に進行し、併せて更新や修繕などの時期が集中する恐れがあると警鐘を鳴らす。
一方、インフラの整備年度も河川堤防の9割以上、道路施設、港湾施設等の約半数が1975年までに整備され、老朽化が進んでいる。
公共施設等管理計画では、公共施設等の維持管理や更新等に係る経費の縮減や平準化に加え、公共施設等の安全性の確保や公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進―を課題に挙げた。
その上で▽長寿命化によるライフサイクルコストの縮減や平準化でLCCの縮減化と平準化▽PPP等の活用を検討し、さまざまな角度から施設の維持管理や運営などの効率化▽施設の建設や改修に当たっては後の維持管理や運営などの効率化に配慮▽保有総量の適正化▽点検者の技術力の確保や点検・診断項目のマニュアル化、結果のデータベース化等の推進―をポイントに置き、個別施設ごとの対応方針を盛り込んだ。
提供:建通新聞社