近畿地方整備局はこのほど、事業評価監視委員会(27年度第3回)を開き、10事業を再評価した。京都関係では一般国道163号木津東バイパスを審議し、事業継続とする対応方針案を妥当と判断した。
木津東バイパスは、都市計画道路天神山線の一部として東中央線とともに、国道163号のバイパス機能を果たし、木津川市の国道24号、163号の重複区間における慢性的な地域の交通混雑の緩和や地域のまちづくりを支援する延長0・6qの道路。
計画地周辺では関西文化学術研究都市木津中央地区の新市街地「城山台」が24年5月にまち開きし、あわせて城山台を南北に貫く木津中央線が開通した。木津川市の中心市街地と城山台は鉄道(JR関西本線)で東西に分断されており、木津東バイパスは両地域を直接結ぶ東西軸となる。
バイパスの事業区間は木津川市木津天神山〜木津川市木津馬場南。車線は2車線で標準幅員が16・0m。
当初計画案によると、バイパスルートは大谷交差点から東へ延伸後、京都府登録文化財の岡田国神社の南西側付近でJR関西本線を橋梁(橋長約23m〜約33mを予定、幅員16m)で跨ぎ、その後、天神山を通過し木津中央地区に至る。
近畿地整は23年度に事業化、24年度に用地着手した。事業進捗率は事業費ベースで約28%(27年3月末時点)、用地取得率は面積ベースで約32%(27年3月末時点)。27年度は用地買収及び文化財調査を進めている。
事業評価監視委では、軟弱地盤対策の追加(盛土部の地質調査の結果、深層改良を追加)で8億8100万円、残土搬出場所の変更(残土搬出について他の公共工事と工程調整を実施したが難航し、有料残土処分場に搬出)で3億5900万円、埋蔵文化財調査の範囲変更(埋蔵文化財本堀調査を拡大)で2億3600万円、橋台の基礎形式変更(橋台施工部の地質調査の結果、軟弱地盤対策として基礎形式を直接基礎から杭基礎に変更)で2億4100万円、用地買収箇所の精査で1億5000万円の増額、擁壁構造への変更(補強土壁の採用により地盤改良範囲の縮小)で1億5000万円を減額した結果、全体事業費を15億円から33億円に増額(約120%増)となったことを報告した。
供用年度は当初の29年度から1年延長し30年度を予定する。
渋滞緩和や新市街地のまちづくりを支援する事業として必要性が高く、関係自治体の早期完成を求める意見も踏まえ、事業継続とする対応方針案を提案。審査委は妥当と判断した。
近畿地整京都国道事務所が委託した木津東バイパス関連の主な業務は、23年度に木津東バイパス予備設計業務(担当は基礎地盤コンサルタンツ)、木津東バイパス他調査設計資料整理業務(担当はオリエンタルコンサルタンツ)、木津東バイパス路線測量他業務(担当はパスコ)、24年度に木津東バイパス橋梁予備設計業務(担当は中央復建コンサルタンツ)、国道24号大谷交差点他道路予備設計(担当は修成建設コンサルタント)、木津東バイパス他地質調査業務(担当はキンキ地質センター)、25年度に木津東バイパス用地測量等業務(担当はノア技術コンサルタント)、木津東バイパス道路詳細設計業務(担当は修成建設コンサルタント)、木津東バイパス橋梁詳細設計業務(担当はパシフィックコンサルタンツ)、木津東バイパス土地評価等業務(担当は関西総合鑑定所)、26年度に木津東バイパス二号調整池詳細設計他業務(担当は建設環境研究所)、木津東バイパス環境調査業務(担当はオリエンタルコンサルタンツ)など。