日本工業経済新聞社(山梨)
2015/12/03
【山梨】知事が所信表明/県単公共に10億円追加
後藤斎知事は、3日に開会した定例県議会で所信表明を行った。経済対策については「即効性のある県単独公共事業を実施することとし、12月補正予算案に所要の経費を計上した」と説明。また、地域再生計画が国の認定を受けたため「県外からの企業誘致や県内企業の事業拡張の促進に強力に取り組んでまいります」と意欲を見せた。
県は12月補正予算案に県単公共事業費として10億円を計上。地域からの要望が多い通学路の補修など、安全・安心に直結し、経済対策としても即効性が高い事業を実施する。
経済対策の必要性について後藤知事は、「本県経済もアベノミクス効果が十分に及んでおらず、回復基調に減退傾向が見られる」と指摘。県議会においても国へ経済対策を強く働きかけるよう知事へ要望しており、知事や関東知事会も政府・与党へ働きかけを行っていると説明。そして「まずは、県単独での対策を先行的に実施する必要があると判断」し、補正予算案に計上した。
後藤知事はさらに、地域再生計画について「市町村と連携しながら、県内全域を対象とした計画の策定作業を進め、先日、国の認定を受けた」と説明。
計画認定によって、本社機能の移転や事業拡張のための整備計画を策定して県の認定を受けた事業者は、国税や地方税の優遇措置などを受けられる。そのため後藤知事は「本制度の活用も積極的にPRしながら、県外からの企業誘致や県内企業の事業拡張の促進に取り組んでまいります」と述べた。
企業誘致ではそのほか、来年度から県内企業などに安価や電力を供給する「やまなしパワー」を創設すると表明。企業局が発電した電力を東京電力に売り、東京電力が通常よりも3%から6%減額した価格で供給する事業で、後藤知事は「県内への立地や既存企業の事業拡大を促進し、新たな雇用創出などの効果が期待できる」とした。
そのほか補正予算案には、地盤沈下で傾きが生じた県営熊井戸団地(都留市)について居住環境の早期改善を図るため、改修工法の検討や実施設計に要する費用を計上している。
また、東南アジア地域のショッピングセンターなどで県産農産物や加工品、ワインなどの地場産品を展示販売し、観光情報などを発信する常設の拠点を来年度中に開設することを目指しており、現地で店舗の立地状況調査や条件交渉を行うための経費を予算化。
さらに、医療機関が行う機器整備への助成金も計上している。