日本工業経済新聞社(群馬)
2015/12/03
【群馬】耐震診断義務付け対象建築物の設計費を補助
県は、耐震診断の実施と結果報告が義務付けられている大規模な旅館やホテルなどの施設に対し、耐震設計費を補助する制度を創設する。現在開会中の議会に上程されている補正予算案に、2016年度を期間とする6155万5000円の債務負担行為を設定した。国、県、市町村で設計費の計6分の5を補助する。設計費を補助することで所有者負担を減らし、対象建築物の耐震設計を促進させていく狙いだ。
今回の制度では、国が2分の1、県が6分の1、市町村が6分の1の計6分の5を補助し、所有者負担を6分の1まで抑える。所有者に重くのしかかる設計費に補助制度を設けることで、耐震改修を促していく。
対象建築物の規模は用途ごとに異なる。例えば、旅館やホテルなどは3階以上かつ5000u以上、老人ホームなどは2階以上かつ5000u以上、小中学校などは2階以上かつ3000u以上、幼稚園や保育園などは2階以上かつ1500u以上−の施設が該当する。民間だけでなく、公共施設も対象となる。県建築課によると、対象建築物は県内では数十件に及ぶとみられるという。
改正耐震改修促進法が13年11月25日に施行され、旅館など不特定多数の者が利用する大規模建築物や、避難確保上特に配慮を要する者が利用する大規模建築物などには、15年12月31日までに耐震診断とその結果を特定行政庁(前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市にある施設はその市、それ以外の市町村にある施設は県)に報告することが義務付けられている。結果は来年1月以降、まとまり次第、インターネットなどで公表されることとなっている。
改正法施行を受けて、県は昨年度、耐震診断費について、やはり国、県、市町村が計6分の5を補助し、事業者負担を6分の1とする補助制度を創設している。