日刊建設工業新聞
2015/12/02
【鳥取】2016年度から県が予定価格の事後公表を拡大
県土整備部は来年4月から調達公告する建設工事(土木系)と測量等業務について、予定価格の事後公表を拡大する。先だって来年1月からは2億円以上の土木工事の予定価格をすべて事後公表とし、低入札価格調査制度での失格基準の算定式を公表する。
予定価格の事後公表は、建設工事で2009年度から一部試行を続けており、土木一般A級はすべて事後公表など徐々に拡大させている。応札者の積算能力が向上してきており、同部は競争性や公平性の観点から事後公表の範囲を拡大する。来年4月からは土木工事全体の半数近く(40〜50%)まで事後に切り替える。
土木一般B級では実施中のアンケート調査を踏まえ、現行の3分の1程度から2分の1程度に拡大。アスファルトA級はすべて事後、とび等一般A・B級も原則、事後公表にする。
一方、測量等業務はこれまですべて事前に予定価格を公表していたが、1000万円以上の総合評価(簡便型、技術提案型)を適用する業務はすべて事後公表とする。
また、2億円以上の土木工事を先行して来年1月から予定価格を事後公表する。併せて非公表だった失格基準価格の算定式を公表する。
2億円以上の土木工事は低入調査制度を適用しており現在、調査基準価格(88%程度)の算定式を公表しているが、失格基準(80〜85%)の算定式は公表していない。同部の場合、失格基準価格以外の要素がいくつかあり、失格基準価格を上回っていても失格するケースがあった。
他県では失格基準の算定式を事前に公表している例が多く、同部は「透明性を確保したい」(県土総務課)と話し、算定式の公表に踏み切る。
見直しでは価格以外の失格基準を廃止し、失格基準価格を下回ればすべて失格とする。
このほか2億円未満の最低制限価格制度では、予定価格を事後公表する建設工事で算定式の公表を検討している。現行は一定幅でランダムに変動させており、事後公表に限って見直す方向だ。