袖ケ浦市は、君津地域4市(木更津市、富津市、君津市、袖ケ浦市)による火葬場共同建設に向けて基本合意することを決めた。すでに同市を除く3市は9月末に基本合意に達し、覚書を締結しており、今後、年度内の基本協定の締結に向けて4市で協議を進める。共同建設への参加については、議会の全員協議会で説明。先月27日に開会した12月定例議会で質疑を行い、議会の意見を求める。
議会初日の27日には、本会議後に全員協議会を開き、市長が4市の歴史的背景や負担割合の減少など協議への参加理由を改めて説明した。議員からは、「(市民の約8割が利用している)「市原市との関係を考慮した中で判断したらどうか」などの意見が出された。
共同建設に向けては、9月29日付で袖ケ浦市を除く3市が基本合意に達したが、袖ケ浦市は市議会や住民への説明が必要として態度を保留。10月の市長選で出口市長が再選を果たしことから方針を明確にした。
4市の枠組みに入る理由としては、@4市による広域行政は歴史的背景があるA各市の事情等が合致したB木更津市との2市の共同建設から枠組みが拡大し負担割合が減少した――ことなどが挙げられた。また、市民の約76%が利用している市原市との関係については、袖ケ浦市は位置的に両市の中間点にあって利便性が確保でき、人口比での負担割合がほぼ同程度と結論づけた。
火葬場の共同建設では、木更津市が本年8月に、@同市が事業主体となり実施APFI事業として実施B建設候補地は現木更津市火葬場の敷地及び隣接地C火葬場施設の供用開始は2021年度をめどとするD事業費は構成市が応分に負担――などを要旨とする「(仮称)木更津市火葬場整備事業」に関する覚書を提示。木更津、君津、富津の3市が9月29日に覚書を締結した。
木更津市は、老朽化する火葬場の建て替えに伴い費用負担を軽減するために広域での整備を計画。11年度に袖ケ浦市に共同建設を打診し協議を進めていたが、昨年11月に君津市と富津市から枠組みへの参加の申し出があり、4市で建設する方向で合意に向けた協議を進めていた。君津市と富津市は富津聖苑(富津市前久保385)を共同運営しているが、この使用期限が18年度に切れることから対応を検討。広域での整備を目指すことになった。
一方、袖ケ浦市は、議会や市民への説明が必要として保留する旨を木更津市に回答。市長選が終わった段階で態度を明確にした。
同市には自前の火葬場がなく、火葬場建設は長年の懸案事項となっている。これまでに1977年度の林地区を皮切りに高谷地区、久保田地区、根形台地区、南袖地区などが候補地に挙がったが、いずれも地区住民の合意を得られず断念している。
建て替えの対象となる木更津市の火葬場は67年の建設で建設後48年を経過。火葬炉は途中で更新しているが、建物は老朽化が進んでいる。火葬場の所在地は大久保840―3地先。敷地面積1万2461・05u。建物規模はRC造平屋建て延べ591・31u。施設は本館と待合場、その他で構成。本館は156・36uの規模で、火葬炉3基と、ほかにホール、事務室など。待合場はRC造平屋建て336・66uで、ホールと和室2室など。そのほかに機械室、納骨堂、物置など。