県県土整備部は24日、県庁中庁舎で「千葉港津波浸水被害対策検討会」の初会合を開いた。検討会は、9月18日に津波注意報を受けて閉鎖した浜野水門・寒川水門付近で発生した浸水被害の再発防止対策を検討するため設置されたもので、津波被害発生のメカニズムを解明し、再発防止のための対応策をまとめる。対応策では、事務局から水防計画における水防などの実施要領を変更し、水門の操作方法を見直すなどの方向性が示された。
検討会の委員は、県、千葉市、船橋市、市原市の行政関係者9人、学識経験者3人の合計12人で構成。座長には近藤健雄・日本大学理工学部海洋建築工学科特任教授が就任した。
会合では、県県土整備部の吉野毅次長が「施設運営にかかる現状認識を共有するとともに、有識者の皆さまの専門的知見に基づく助力を得ながら、実効性のある対策が行われるようお願いしたい」とあいさつ。その後、議事に入った。
議事は、@水防法における千葉県水防計画の位置付けA水門管理システムに係る国の行動計画B海岸保全施設(水門・排水機場)の管理状況C9月18日当日の水門・排水機場の操作状況等D9月18日当日の現地の状況E県管理河川における水位計の設置状況F浸水被害発生のメカニズムG浸水被害再発防止のための対応案H事務局対策案――の9件について議論が行われた。
浸水被害は、9月18日未明にチリ沖で発生した地震による津波注意報を受けて津波による浸水を防止するため水門を閉鎖したが、大雨と重なり、排水機場の操作の遅れから水門周辺で水があふれ、浜野水門付近で床上浸水2棟、床下浸水4棟、車両の水没11台、店舗内浸水1件、寒川水門付近で床上浸水1棟、床下浸水5棟、店舗内浸水2件の浸水被害が発生した。検討会は、この原因究明と対策を行うため設置された。
なお、次回は来年1月に開催される予定で、今回の検討会での意見を反映させた対策方針を事務局が提示し、検討を行う見通し。検討会は年度内にあと2回程度開催を予定する。
検討会の委員は次の通り。(敬称略)
【学識経験者】
▽近藤健雄・日本大学理工学部海洋建築工学科特任教授(座長)▽山田正・中央大学理工学部都市環境学科教授▽木村琢麿・千葉大学大学院専門法務研究科教授
【行政】
▽慈道浩一・千葉市下水道維持課課長▽篠田晃司・船橋市下水道施設課課長▽間立浩信・市原市下水道施設課課長▽中橋正・県県土整備部河川環境課課長▽松田善典・県県土整備部港湾課課長▽小谷竜一・県千葉土木事務所所長▽渡邉浩太郎・県葛南土木事務所所長▽岩井昭則・県千葉港湾事務所所長▽山本篤・県葛南港湾事務所所長