日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/30
【群馬】富岡新庁舎 きょう指名通知 今月下旬入札へ
新庁舎建設で富岡市は、今月下旬に施工業者を決める指名競争入札を行う。きょう1日に指名業者へ通知する。設備工事を含めた一括発注で、入札は価格のみでの競争となる。順調に落札されれば、臨時市議会で施工契約案件を審議。可決されれば、年明け早々にも着工する。外構を含め2017年10月までに完了させる計画だ。
世界的な建築家、隈研吾氏が提案した4棟建ての基本設計を実質やり直し、大きく形を変えた富岡市の新庁舎。計画を大幅に変更したことで時間はかかったが、ようやく着工目前まで来た。
10月に工事費を上積みし、約43億円の巨費を投じることになった大事業。その入札の方法も大きな関心を集めた。さまざまな入札方法があるなか、市は選んだのは指名競争入札。施工計画などの提出を求める総合評価落札方式ではなく、シンプルに価格のみで比較するものだ。3階建てと低層で地下室もなく、特殊な構造ではないこと。また、業者を指名し参加を促すことで不調を防ぐ狙いもあり、この方法を選んだとみられる。
大幅な設計変更をしてまで、コスト縮減に努めた市。発注も建築と設備の分離発注ではなく、工事費の縮減が見込める一括発注とした。
指名業者には、きょう1日に入札の通知が行われる。順調に進めば、今月下旬には施工予定業者が決まる見込みだ。その後に開かれる臨時市議会で施工契約を審議し、承認されれば、年明けにもいよいよ着工となる。
計画では、新庁舎は3階建てで、延べ床面積は約8400u。1期工事として現庁舎裏手の敷地に新庁舎の入口エントランスを除いた部分を建設。そこまでを2017年2月までに終える。
その後、2期工事として現庁舎を解体し、跡地に入口エントランスを造り、駐車場や前庭などを整備する。駐車場は約130台分確保する。全工事が終わるのは17年10月の予定だ。
敷地内にコンビニの出店も検討しており、市民や観光者らが集う、憩いの場としても利用できるようにする。また、県が庁舎から富岡製糸場へと至るルートの改良計画も立てており、完成すれば一体の雰囲気は大きく様変わりそうだ。