松山市銀天街L字地区の再開発計画が動きだした。地区は松山市の中心商業街区である銀天街商店街と大街道商店街の交差部に位置する大街区。全体面積は3万1200平方bで10街区から成り、地権者は180人に上る。再開発機運の高まりにより、松山市と地元地権者の双方が、再開発に向けた基本計画策定者や行政との調整を行うコーディネーターをそれぞれ選定したほか、11月には再開発の在り方を検討するための「第1回再開発検討専門部会」が開催された。
■松山市の動き■
再開発に向け松山市は、2013年3月に中心部都市再生ビジョンおよび中心市街地再生計画を策定し、L字地区の整備方針として「再開発整備を中心とした老朽建物の更新により、魅力ある商業核と、中心地区への来訪者を受け止めるフリンジ駐車場、広場などの公共公益的機能を一体的に創出」、「商業機能、公共公益機能の導入に加え、都心居住機能の導入も併せて進める」と定めている。
市は、事業目的に沿った総合的な基本計画を作成するため、8月に同地区の再開発事業の基本計画作成をアール・アイ・エー広島支社(広島市)に委託した。委託内容は、施設建築物や施設建築敷地、地区施設などの設計、資金計画その他事業の計画内容および権利調整の概略の検討ならびにこれらに伴う施設概要などの調査となっている。
■地元地権者の動き■
地元では、市計画の整備方針を受け再開発の勉強会とともに機運づくりを進め、5月には具体的な再開発計画を検討するための「松山銀天街L字地区再開発全体協議会(伊賀上浩会長)」を発足、9月には事業化を見据えた事業計画の構築や関係者・行政との調整を行う再開発コーディネーターを一般公募で選定しアール・アイ・エー大阪支社(大阪市北区)に委託した。協議会では1〜2年先の準備組合への移行を目指す。
■再開発検討専門部会■ 専門部会(部会長・曲田清維愛媛大防災情報研究センター教授)は有識者、地元地権者・団体、行政機関など15人で構成。11月に第1回部会が開かれ、建物の老朽化が進むとともに空き店舗が増えている現状把握をしたほか、今後、16年度にかけて計5回の会合を開き、整備方針など基本計画を策定する方針を確認した。
提供:建通新聞社