高知市は、公共施設マネジメント基本計画案をまとめた。安心安全で将来にわたり持続可能な公共施設サービスの提供という目的を実現するため、管理、機能、総量の3項目について最適化することを目標とする。この基本計画に沿って、施設の修繕や長寿命化の取り組み、施設の更新などの長期修繕計画や、施設分類別の再編・再配置計画などの実施計画を2016年度以降に順次策定する考え。
市は、3月に公共施設の基礎情報や施設の現状、将来の更新コストなどを示した「高知市公共施設白書」を作成した。白書によれば、公共施設の全延べ床面積のうち、築30年以上の施設が約46%を占め、今後大規模改修や建て替えが集中することが予想されるとしている。全ての施設を現行の規模で保有し続けた場合、今後40年間で必要となる将来費用は1年当たり約129億3000万円と推計され、09〜13年度の5年間の公共施設にかけた普通建設事業費の平均(約56億8000万円)の2・3倍の費用が必要になる。これらの課題を解決するため、具体的な方向性、取り組みなどを公共施設マネジメント基本計画案を示している。
実施計画策定に向けたスケジュールについては、まず現在の仕組み・組織・課題を解決するために公共施設マネジメント統括部署を新設する。現在は、各施設部署課が縦割りで施設管理を行っているのみだが、部局の枠を超え、横断的に全ての公共施設を統括しマネジメントする決定権を持つ。技術職員を配置し、全施設の点検・評価を行い、効果的な修繕予算の配分や、再編・再配置計画、長寿命化に向けた長期修繕計画を策定するなど効率的に管理する。
長期修繕計画では、施設の点検を定期的に行い、将来コストを数値化した上で、緊急性・老朽化度や施設の重要性などから優先順位をつけた予算配分を行い、修繕を実施するための計画で、17年度に策定する予定。
再編・再配置計画は、現在と将来のニーズに合わせ、機能・供給・バランスを考慮した、今後の個別施設の在り方を方向づけ、実施していくための計画で、16年度に再編・再配置計画を策定し、17年度に実施する方針。
提供:建通新聞社