福島建設工業新聞社
2015/12/01
【福島】飯舘村復興整備協/来年度に全体造成工事
飯舘、楢葉、富岡各町村の復興整備協議会が30日、県庁で開かれ、2f超の農地転用が必要な土地利用方針の変更などが審議された。
飯舘村は、29年3月までの避難解除に向け、復興・再生の出発点となる深谷地区復興拠点エリア整備事業に着手。新たな村づくりを中心的に担う産業用地として整備する。道の駅「までい館」、花卉展示販売施設、花卉栽培施設、復興村営住宅、多目的交流広場などを予定している。
今回はこのうち復興村営住宅、花卉栽培施設、多目的交流広場整備事業についての農地転用と開発行為許可についての協議で、いずれも1日に公表し認可されたとみなされた。
3施設の敷地全体は3・8fで、このうち花卉栽培施設が9600平方b、多目的交流広場が1万8300平方b、復興村営住宅(集会所含む)5900平方b。28年度に全体の造成工事を行い、29年度に具体的な建設工事に入り、30年度までに完成させる。整備に当たっては花卉栽培施設を先行させる予定。復興村営住宅は集会所を含み、15世帯分を整備する。
楢葉町の協議事項は、波倉地区で特定目的会社の楢葉新電力合同会社が行うメガソーラー事業に伴う農地転用。
農業が困難となった地域を中心とした21fに整備するもので、一部で農地転用を行い太陽光発電設備(11・5h)を導入する。まちづくり会社「一般社団法人ならはみらい」が、ソーラー事業に出資し、その配当を町民の生活再建支援事業や生きがいの持てるまちづくりに役立てる。
同整備事業期間が27〜29年度であるため、復興整備計画全体の期間も29年度までに改めたほか、復興整備計画の目標に「農業の再構築・新産業化を図る」を加えた。太陽光発電など再生可能エネルギーの導入や、農業復興組合をはじめ農業法人の育成など生産主体の強化を記載した。
富岡町は、廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟用地整備事業(27〜28年度)と、大石原・下千里、高津戸・清水前両地区での太陽光発電事業(28〜29年度)にかかる農地転用。廃炉国際共同研究センターは今年4月に茨城県東海村に開設したが、その中核となる国際共同研究棟は富岡町大原地区に整備される。延べ2500平方bで整備費13億円。29年3月竣工を目指す。敷地は1万1540平方bで全て農地。
太陽光発電事業は大石原・下千里地区が富岡復興エナジー合同会社で20h、高津戸・清水前がさくらソーラーで30h。いずれも敷地は約40fで農地も同様。