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建通新聞社四国
2015/11/27

【高知】高知県 南海トラフ地震対策の部局別第2期行動計画総括と第3期行動計画の取組

 高知県は、11月19日に開催した「南海トラフ地震対策推進本部会議」で、第2期南海トラフ地震対策行動計画の総括と2016年度からスタートする第3期南海トラフ地震対策行動計画の取り組みについて各部局別に報告した。
 このうちハード整備の主な内容は次の通り。(@第2期行動計画の成果、課題A第3期行動計画の主要な取組B第3期行動計画の目標C16年度の主要な予算要求額)
【危機管理部】
 ▽県有施設の耐震化−@県有建築物耐震化実施計画対象施設耐震化率は15年度で91%を予定A実施計画の対象外だった教職員住宅や畜産試験場などの施設も行動計画に位置付けるB部局ごとに目標を設定し、耐震化を着実に推進C各部局で必要な予算を計上
 ▽タナスカ地区等の石油、ガス施設の地震・津波対策の検討−@L2地震動で耐震性を有していない一部の部材への対策、液状化対策、対策の基本的な考え方を踏まえた具体的な検討などが必要A国、事業者、高知市と連携し、実施対策な対策への着手、最悪の被災シナリオを基に具体的な対策を長期浸水対策と併せ検討B海岸堤防整備などのハード整備は施設管理者での事業着手を図るC石油基地等地震・津波対策検討事業費147万円
 ▽総合防災拠点に最低限必要な施設整備、訓練の実施(全8拠点)−@宿毛市総合運動公園における備蓄倉庫と物資の仕分けスペースの確保が必要、安芸市総合運動場でのSCU活動のため、あき病院との連絡道が必要A宿毛市との協働による備蓄倉庫、仕分けスペースの整備、安芸市総合運動場とあき病院との連絡道確保について安芸市と検討B宿毛市備蓄倉庫は16年度整備完了、安芸市総合運動場の連絡道の整備具体化C災害対策活動費6572万円
 ▽災害対応型給油所−@15年度末の整備数(見込み)は274カ所中61カ所A東部、幡多、中山間での重点的な整備B整備率100%C災害対応型給油所整備促進事業費補助金1億1135万円
【健康政策部】
 ▽水道施設の耐震化−@県内の全上水道事業体が国庫補助の採択条件を満たしておらず、市町村が単独で財源を構える必要があることから耐震化が進んでいないため、県が支援することが必要A県が支援し、市町村が行う配水池などの耐震化を促進B18年度末で配水池8施設耐震化C水道施設耐震化事業費補助金2370万円
【地域福祉部】
 ▽社会福祉施設の高台移転−@16年度中に当初予定の8施設の移転が完了A高台移転などの意向調査の実施による課題の把握B施設入所者などの生命の安全の確保C要望に応じて随時予算化
【文化生活部】
 ▽私立学校の耐震化の支援−@主要な校舎や体育館の耐震化はおおむね完了予定、使用頻度の低い棟の対策の働きかけが必要A未対応で残る建物の耐震化支援B耐震診断は5棟、耐震化工事は2棟の実施C私立学校耐震化促進事業補助金946万円、私立学校施設耐震対策支援事業費403万円
【産業振興推進部】
 ▽鉄道の橋梁、高架橋などの耐震化−@土佐くろしお鉄道は緊急輸送道路に交差・平行する高架橋全135本中117本完了A残る18本の耐震化などB16年度中C安全安心の施設整備事業費補助金(南海トラフ地震対策、土佐くろしお鉄道分)4597万円
【商工労働部】
 ▽津波浸水被害のない高台の工業団地開発−@高台における工場適地が不足A高知一宮団地は造成と関連工事、南国日章工業団地は用地買収、開発協議、造成・関連工事B高知一宮団地は17年完成、南国日章団地は18年完成C一般会計の工業団地開発事業費補助金2億3079万円など、特別会計の工業団地造成事業費で高知一宮団地9億2259万円、南国日章工業団地13億3892万円
【農業振興部】
 ▽農村地域における津波避難タワーの整備−@13基中6基整備、必要な国予算の確保が課題A13基全て完了B津波からの県民の生命の確保C津波避難タワー整備費9億4500万円
 ▽ため池の地震防災対策の推進−@防災上特に重要なため池のうち21池の耐震化が必要、整備完了は1池のみ、必要な国予算の確保が課題Aため池の耐震化整備工事、レベル1(堤高15b未満)4池、レベル2(同15b以上)8池B20年度末までに全て完了Cため池耐震化整備事業費3億7280万円
【林業振興・環境部】
 ▽山地災害危険地における避難路・避難場所の保全対策−@15年度までに19カ所整備A地元市町村との協議が整った箇所から順次整備B3カ年で11カ所C山地防災事業2678万円
 ▽保安施設堤防の陸こうの常時閉鎖の推進−@地元利用者との調整が必要A協議が整った箇所から順次閉鎖B各年度で4カ所の閉鎖C防潮堤の陸こう閉鎖事業7300万円
【水産振興部】
 ▽漁村地域における避難路・避難場所の整備−@早期完了に向け予算確保が必要A整備を推進B18年度末で整備完了C漁業集落環境整備事業1億2653万円など
 ▽防災拠点漁港への耐震強化岸壁などの整備−@早期完了に向け予算確保が必要A耐震強化岸壁、防波堤の粘り強い構造化を推進B18年度末で耐震強化岸壁を2漁港、防波堤の粘り強い構造化を4漁港で完了C広域水産物供給基盤整備事業3億3757万円
【土木部】
 ▽既存住宅の耐震化−@13〜15年度で4400→2300棟見込み、耐震化の啓発効果が不十分、住宅所有者の経済的負担が大きいA耐震化の啓発、住宅所有者の経済的負担軽減へ低コスト工法の普及促進、代理受領制度や上乗せ補助を行っていない市町村へ実施の働きかけ、津波浸水予想地域内の段階的な耐震改修を支援する制度拡充B16〜18年度で4400棟C住宅耐震化促進事業費補助金(5事業)4億1300万円
 ▽高須浄化センター各施設の耐震化・津波対策の実施−@入札不調が重なったことによる事業の遅れA遅れている津波対策を中心に予算確保および発注計画の見直しなどにより整備促進を図るB17年度末で各施設耐震化の完了、18年度末で各施設津波対策の完了C耐震および津波対策工事費3億8955万円
 ▽老朽住宅等の除却−@15年度末で350棟A補助による支援の実施と周知・啓発B18年度末で600棟C住宅耐震化促進事業費補助金(老朽住宅等除却事業)1億2330万円
 ▽重要港湾の防波堤整備−@15年度で高知港東第一防波堤1100b中940b概成、宿毛湾港池島第二防波堤380b中315b概成、須崎港防波堤1420bの粘り強い化改良着手A重要港湾の防波堤整備B高知港東第一防波堤完成、宿毛湾港池島第二防波堤完成、須崎港防波堤の粘り強い化推進C国直轄港湾事業費負担金
 ▽海岸などの地震・津波対策の推進−@県管理護岸・防潮堤の耐震化は高知港、十市前浜、宇佐漁港、奈半利港で事業着手、国直轄高知海岸堤防の耐震化は新居工区完了、戸原、長浜、南国工区で事業着手A地震・津波対策を推進するため海岸堤防の耐震化を実施B県管理では高知港海岸若松町工区の対策完了、宿毛湾港・新田で事業着手、国直轄高知海岸堤防の耐震化完了
 ▽河川堤防の耐震化−@15年度末に浦戸湾内で重点区間1工区が完了A浦戸湾内の河川堤防耐震化を継続、浦戸湾外の河川堤防耐震化B18年度末で浦戸湾内の河川堤防15・3`の耐震化完了、浦戸湾外の河川堤防1・29`の耐震化完了
 ▽海岸堤防の陸こうなどの常時閉鎖の推進−@15年度で陸こうの常時閉鎖1173カ所中777カ所、管渠などの常時閉鎖627カ所中435カ所で完了B18年度末で陸こう817カ所、管渠など500カ所
 ▽高知駅秦南町線の早期整備−@円滑な事業進捗に向けた用地取得と必要となる予算確保A16、17年度で用地取得完了、17年度から久万川の橋梁下部工とシキボウ跡地部の街路築造工事に着手B19年4月の高知赤十字病院開院までに2車線暫定供用C用地補償費13億円
 ▽通常砂防、急傾斜地崩壊対策、地すべり対策事業の実施−@15年度末で87カ所概成A優先保全施設も考慮した保全の着実な推進B18年度末で113カ所概成C通常砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業、地すべり対策事業21億7140万円
 ▽土砂災害警戒区域等の指定−@15年度末で9059カ所A土砂災害警戒区域の指定、周知のさらなる加速化B18年度末で1万6262カ所の指定C砂防等基礎調査費8億5050万円
 ▽道路啓開計画の策定−@15年度に啓開ルートの選定とL2想定による啓開日数の算定B16年度末にL1想定による啓開日数の算定C防災・安全交付金事業費3141万円
 ▽緊急輸送道路の橋梁耐震化−@15年度までに緊急輸送道路の耐震補強完了率94%、橋脚補強に係る仮締切工法などの仮設工法に特殊な工法を採用せざるを得ない橋梁があるため入札不調の発生A緊急輸送道路、啓開道路の橋梁耐震化B16年度末に緊急輸送道路の耐震補強完了、18年度に啓開道路上の耐震工事完了C防災・安全交付金事業費20億4188万円
 ▽四国8の字ネットワークの整備−@15年度で整備率53%B18年度末の整備率55%C国直轄道路事業費負担金26億0495万円
 ▽地籍調査事業の支援−@15年度末で進捗率53%、実施主体である市町村の人員と予算の確保は容易ではない状況B18年度末の進捗率56%C国の地籍調査費負担金21億7440万円
【教育委員会】
 ▽学校施設の耐震化−@県立学校の耐震化は15年度予算で完了、公立小中学校の耐震化率は15年度末で95%の見通しA震災発生時に倒壊の危険がある県立学校36校のブロック塀を改修B改修の必要な全ての県立学校で実施C県立学校ブロック塀等改修事業費3898万円
 ▽幼保連携型認定こども園・保育所・幼稚園などの耐震化の支援−@15年度末で耐震診断率89・2%、耐震化率88・1%A耐震化の支援B18年度末で耐震診断率、耐震化率とも100%C認定こども園施設整備費補助金2億3980万円
 ▽保育所・幼稚園などの高台移転の補助実施−@施設整備への補助は15年度末で4カ所A高台移転などの検討の支援と高台移転整備への支援を強化B津波到達時間までに安全な避難が困難・不安な場合は、抜本的な津波対策として高台移転の検討などを進めるC保育所・幼稚園等高台移転施設整備事業費補助金5億3363万円
【警察本部】
 ▽警察署の自家発電設備の強化−@8施設中7施設を強化済みA警察署庁舎の災害対応力強化B残る高知南署の自家発電設備改修、高知署新築移転工事の推進C高知南署改修工事設計委託等588万円、高知署旧庁舎解体設計等9397万円

提供:建通新聞社