日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/27
【群馬】女性技術者が環境改善策提言へ
将来の担い手不足が想定される建設産業では、女性進出が業界全体の課題になっている。こうした中、県建設企画課は、国の「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地域創生先行型)」を活用し「女性技術者が活躍できる建設産業の環境づくり」を進めていく。女性技術者らによるワークショップを開催し、女性視点での環境改善策を提言書として取りまとめる。講演会の開催や就職広報誌の作成も計画しており、女性の定着・就職支援を図る。
建設産業界への女性進出をめぐっては、県内の産学官で構成する昨年6月の「産学官連携会議」で、働く女性による意見交換の開催が提案された。また、同年8月には国土交通省と日本建設業連合会など建設業5団体が「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定。10万人いる女性技術者・技能者を5年以内に20万人に倍増させる目標を立てている。
県では、建設産業界の職場環境が女性にとって働きやすいものになるよう、定着のための支援を行うとともに、女性向けに建設産業界への就職支援を実施することを目的に、ワークショップや講演会を開催するとともに、就職広報誌を作成する。
現段階でワークショップは来年1〜2月ごろの開催を見込む。産業界や県庁・市町村役場で働く現役の女性技術者のほか、今後入職が望まれる大学や高専の女子学生を交えて行うことを想定している。
このワークショップを通して、女性視点の環境改善策を提言書として取りまとめ、産業界へ提言内容を投げ掛ける。そこから提言内容の検証をスタートさせていく見通しだ。
ワークショップは提言書をまとめるだけでは終わらせず、3月ごろに開催を見込む講演会でも発表して周知を図る。講演会ではこのほか、基調講演やパネルディスカッションも行う計画で、現在詳細を詰めている段階だ。就職広報誌も同時期に作成し、女性技術者の視点から建設産業をピーアールする。県内の高校や県内外の大学などに広く配布し、女子学生の建設産業への就職を後押ししていく。