北陸地方整備局は20日、「信濃川・阿賀野川地震・津波対策事業完成式」を新潟市東区プラザで開催した。出席した関係市長や施工・コンサルタント業者ら約160人は、信濃川と阿賀野川の下流部における堤防耐震対策工事の完成を祝った。
冒頭、藤山秀章局長が「強い地震が発生しても液状化を抑え、津波に対して機能する堤防を整備したことにより地域の安全安心、経済活動が強固になった」とあいさつ。水管理・国土保全局の北村匡水資源部長が「地域の生活基盤の安定に多大な効果を発揮すると確信している。国土交通省として総力を上げて取り組んでいく」と述べた。
来賓の寺田吉道副知事が「無事工事が完成したことにより、本県の発展に大きく寄与するものと期待している」、篠田昭新潟市長が「安心安全度が格段に上がったストック効果を感じている」と話し、衆議院の石崎徹議員と西村智奈美議員が祝辞を述べた。続いて、井上清敬信濃川下流河川事務所長と石川俊之阿賀野川河川事務所長が工事報告。関係者代表と園児らによりくす玉が割られると、会場から拍手が沸き起こった。
地震・津波対策事業は信濃川が総延長約5・2キロ、事業費約62億円。静的締固め砂杭工法やスラリー攪拌工法、薬液注入工法、鋼矢板圧入工法が用いられた。一方、阿賀野川は総延長約5・5キロ、事業費約79億円。鋼矢板圧入工法、静的締固め砂杭工法のほか、高圧噴射攪拌工法で国交省初の揺動式FTJ工法が採用された。