大阪府耐震改修促進計画審議会は、「大阪における今後の住宅・建築物の耐震化促進政策の在り方」答申案をまとめた。耐震改修だけでなく、建て替えや除却、(引っ越しによる)住み替えなど多様な方法による耐震化促進を施策に盛り込むほか、住宅まちづくり部と高齢者向け住宅、福祉施設の所管部局、学校や病院などの所管部局、広域緊急交通路沿道建築物では危機管理部局、道路管理部局などと組織横断的に連携できる体制づくりを求めていることが大きな特長だ。
府は答申を受けて、次期耐震改修促進計画案をまとめ、12月にパブリックコメント手続きに入る考え。2015年度末までに計画として正式決定する。
答申案によると、耐震化率の数値目標(府民みんなでめざそう値)は、住宅の耐震化率が25年度までに95%、多数の者が利用する建築物は20年度までに95%に設定。
目標達成に向けた取り組みでは、密集市街地に対する施策、住み替えや建て替え促進、パッケージ診断(耐震診断+改修が必要な場合は設計、見積もりまでをセットで実施)、リフォーム事業者との連携、ニュータウンなどからモデル地区の抽出・耐震化などを盛り込んだ。また木造住宅については、1981年以降の建築でも、特に2000年の建築基準法の構造規定改正まで期間に建設した住宅を中心に、耐震化の普及啓発に取り組む必要を指摘している。
多数の者が利用する建築物のうち診断が義務となる民間の大規模建築物と、広域緊急交通路沿道建築物の耐震診断の10月時点の状況は表の通り。
提供:建通新聞社