大阪府は、安威川ダム建設事業で、周辺整備に向けた準備を進めている。公・民間・住民協働での周辺整備を目指しており、事業推進体制や公と民の役割明確化、整備スケジュールなどを考慮に入れた周辺の保全・整備に向けた実施方針案を茨木市と検討、方針案は2015年度内にも取りまとめる見通しだ。16年度はさらに議論を深め、実施方針としてまとめる考え。
ダム完成年度から逆算すると、16年度に周辺整備具体化に向けた検討業務などの外注が見込まれる。
「安威川ダム周辺整備基本方針」(09年策定)によると、基本方針は@渓流と湖面に映える周辺景観の保全と再生・創出Aダム・ダム湖を拠点に地域資源を生かして北摂のシンボル空間を創出B周辺環境の保全と地域資源の有効活用を適正に調和―などとしている。
これまでに地元を中心としたワークショップを継続的に展開、本年度はより広い観点から検討するため、一般府民を対象とした「周辺プランワークショップ(WS)」を立ち上げ、周辺整備に向けた意見の集約を図ってきた。本年度実施したWSは全4回で、本年度末にも最終的なワークショップ取りまとめを行う計画。
第4回のWSでは、これまでの意見や地元ワークショップの意見を踏まえたイメージ案が示された。同WS資料によると、周辺整備基本方針で9ゾーンに分けている保全と活用について、10地点のイメージを提示。10地点のうち、2カ所はダム堤体よりも南側で、他の8カ所はダム堤体の北側にある。
府の担当者は、「ダム本体完成後の試験湛水を実施した際に、水没するエリアと水没しないエリアで整備の進め方は異なる」と説明する。
安威川ダム建設事業では、ダム本体工のほか、左岸道路築造工が進められている。左岸道路は、全体延長3・3`で北側の一部、延長0・8`区間は供用済み。北側は延長1・6`のうち延長1`が工事中、南側は延長0・9`のうち延長0・63`で工事を施工中。全体区間のうち橋梁は11橋あり、そのうち3橋が架設済み、3橋は工事中、1橋は設計中、残り5橋は16年度以降に設計に着手する予定。ダム本体、左岸道路とも20年度の完成を目指している。
提供:建通新聞社