高松琴平電気鉄道本町踏切(高松市)の改良について、香川県と高松市は共同で学識経験者と琴電、関係行政機関からなる「本町踏切渋滞対策等対策検討委員会」(委員長・紀伊雅敦香川大学工学部教授)を設置。懸案となっていた本町踏切の渋滞対策の検討がスタートした。
13日に県庁で開かれた検討委の初会合では、本町踏切の現状や課題を踏まえ事務局(県土木部、高松市)が示した暫定整備計画案について議論。交通の流れを改善する効率性と併せ、暫定整備計画案により新たに懸念される踏切交差部での安全性の両面を慎重に審議することを検討委の中で確認した。その上で、2016年1月下旬に開催予定の次回会合に事務局が踏切改良の実現に向け暫定整備計画の複数案を提案。最終案の絞り込みに向けて意見を聴くことを決めた。
本町踏切は市道高松海岸線(瀬戸大橋通り)と、市道魚屋町栗林線(フェリー通り)の交差点内にある複雑形状になっている。当初、高松琴平電鉄(琴平線・長尾線)連続立体交差事業により踏切を除却する計画としていたが、厳しい県の財政状況などから10年3月末で連立事業を中止した。
しかし、連立中止以降に高松坂出有料道路(県道高松坂出線)の無料化や13年度の県立中央病院の開院など、高松海岸線を取り巻く状況が変わり、さらに香川県渋滞対策協議会が高松市中心部の主要渋滞箇所として、市道高松海岸線(寿町〜本町踏切)など三つの区間を指定。本町踏切の渋滞対策等を速やかに検討することにした。
事務局の示した暫定整備計画案は抜本対策の連立事業が難しいとして、本町踏切北側用地(城内中学校跡地)と城内第二踏切を活用し東行きの2車線(一方通行)を整備。また、現道の買収済み用地と本町踏切を活用し西行き2車線(一方通行)を整備し東西交通の円滑な流れを確保する案を提案した。さらに高松海岸線北側の歩道を整備し、歩行者動線を確保するなどとしている。
暫定整備計画案に対し、委員からは「本町踏切交差点は現状より拡大するものの、交通処理の方法によってはかえって渋滞を招く」「西から東行き通行の場合に城内第二踏切と本町踏切を2回通行することもあり、両踏切での安全対策がより求められる」との意見が出された。
提供:建通新聞社