石川県議会環境農林建設委員会が18日開かれ、常田功二土木部長が県内における旭化成建材とジャパンパイルによる杭工事の施工データ流用問題などについて報告した。
この中で常田土木部長は、旭化成建材について施工データの流用が小松市内と金沢市内の合計2件(ともに民間施設)で発見されたことを受け、各特定行政庁(小松市、金沢市)が元請け業者に調査を指示したところ現時点で建築物の傾きやひび割れなどの不具合がないとの連絡を受けていることや、今後元請け業者において流用されたデータ以外の施工記録(工事写真、施工報告書など)の調査が行われ、特定行政庁が最終的な安全性を判断すると報告した。
一方、ジャパンパイルについては同社が元請けから全国約1000件の照会を受けて調査に乗り出し、これまでに約500件を終えて6件の施工データ流用が確認されているものの、県内には対象物件がない、とした。
これに加え、県では03年10月以降に発注した県有施設の杭工事63件(旭化成建材、ジャパンパイルを含む)については杭が支持層に到達していることや、建物の傾きなどの不具合がないことを確認済みとした。
和田内幸三委員が不正を見抜く対策を質したのに対して常田功二土木部長は「この事態を受けて国において何か方針が出されればそれに沿って対応したい」と答弁した。
横浜市におけるマンション傾斜事件を発端に問題化した杭工事の不正を巡っては、国土交通省が16日開いた「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会(第2回)」において業界全体の実態調査を行う方針が示されている。