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建設新聞社
2015/11/19

【東北・福島】Jヴィレッジの復興・再整備基本設計 梓設計に委託

 一般財団法人・福島県電源地域振興財団(事務局=福島県)は、 公募型プロポーザル方式で委託者の選定を進めていた「Jヴィレッジ復興・再整備基本設計業務」について、梓設計を特定し4910万円で契約した。
 プロポーザルには4者(非公表)が技術提案し、今月4日に開催された審査委員会で委託候補者に特定された同社と17日付で契約したもの。
 この業務は、福島県楢葉町山田岡字美シ森8ほか地内にあるJFAナショナルトレーニングセンター 「Jヴィレッジ」の復興・再生に向けた中核施設として新設する「全天候型サッカー練習場」と、「新宿泊棟」に係る基本設計および東京電力が実施する既存施設現状回復工事との取り合い部分の設計調整を行うもの。
 新設する施設のうち全天候型サッカー練習場は、躯体をRCまたはS造とし、総延べ面積約1万0600平方bを想定。設計要件として、ピッチサイズ(人工芝範囲)を121b×74b、梁下有効高さをコート中央部で20bとするほか、ベンチシート250席程度の観覧席、100平方b程度のミーティングルームなどを設ける。さらに、壁面は壁および開閉可能な窓、屋根は膜類等で日光が入る構造とする。
 一方、新宿泊棟はRC造またはS造6階建て、延べ約5500平方bとし、内部はシングルルーム(20平方b×約120室)をはじめ約500名収容のコンベンションホール(約650平方b)、ホワイエ(約280平方b)、大浴場(約280平方b)などを設ける。
 基本設計の履行期限は2016年3月25日まで。実施設計および工事は16年度にデザインビルド(DB)方式での発注を想定しており、同年度内の着工、18年度の竣工を目指す。このため、基本設計受託者に対しては、DB事業者の募集に係る質疑解答などの業務を16年度に別途委託する予定となっている。
 なお、復興・再整備に係るCM業務は、明豊ファシリティワークス(東京都千代田区)が受託している。
 1997年にオープンした同施設は、楢葉町と広野町にまたがる約41・3fの敷地に、5000人収容のスタジアムやフィールド(天然芝10面、人工芝1面)、宿泊施設などを備えた国内最大規模のサッカートレーニング施設であったが、福島第一原発事故以降は、東京電力が事故処理の前線基地としているため全面閉鎖している。
 復興・再整備計画は、東京電力が2016年度内に基地機能を原発構内に移転させる方針を示したことを受け、施設の所有者である同法人や福島県が中心となって策定。20年に開催される東京オリンピック前に福島県の復興のシンボルとして営業再開を目指す内容となっている。

 提供:建設新聞社