東九州自動車道は、豊前IC〜宇佐IC(21・1`)と佐伯IC〜蒲江IC(20・4`)が27年3月に開通し、未開通区間の椎田南IC〜豊前IC間(約7・2`)を残し、北九州から宮崎までがほぼつながった。九州地方整備局は、観光振興面の開通効果をまとめた。
それによると、大分、宮崎両県の主要観光施設21ヵ所(「うみたまご」など観光施設10ヵ所、道の駅11ヵ所)で、入り込み客が約1割増加した。各施設の客1697人へのヒアリングでは、旅行の動機を「開通がきっかけ」「開通も理由の一つ」との回答が合計約6割で、これを開通による観光客誘発効果としている。利用者の声は「東九州道が開通して今まで行くことがなかった大分に何度か行った(都城市から大分市へ)」「大分から宮崎への移動が便利になったので初めて青島に来た(大分市から宮崎市へ)」などが挙げられている。
観光施設の観光圏域広域化も表れている。特に宮崎県で県外観光客の増加が顕著(大分ではほぼ変化なし)。利用者の声は「大分と宮崎が高速でつながり、大分と宮崎の交流が多くなった(大分市から宮崎市へ)」など。調査上は宮崎だけが効果があるように見えるが、宇佐市安心院町のアフリカンサファリは「東九州道の全線開通を見込んで、北九州、宮崎エリアでCMを放映している。その結果、昨年と比較して、宮崎、鹿児島ナンバーや北九州、筑豊ナンバーが増加した」との成果を挙げた。
観光客の滞在時間や立ち寄り回数が増加した。移動時間の短縮で観光施設や道の駅への滞在時間が約30分増加した。3ヵ所以上の観光施設に立ち寄った車両がこれまでの3割りから2倍の約6割に上昇し、車両の走行距離は平均22`増加した。
旅行代理店も開通効果を活用。東九州道沿線への旅行ツアー数は開通前は24だったのが、開通後は39に増加。ツアー定員は2200人から4300人に倍増した。旅行代理店は「東九州道の開通に合わせて、宮崎から大分方面へのツアー客が増加している。大分以遠のツアーが組みやすくなった。大分へのマイカー需要が増え、宿泊プランが増えた」との声を挙げている。
訪日外国人の九州内移動手段にも変化が見られる。移動手段の約3割を自動車が占め、うち訪問地は約4割が東九州方面。NEXCOは毎年外国人観光客向けに「レンタカーで九州をドライブしよう!」とキャンペーンを行っているが、キャンペーン期間中の利用者が昨年に比べて2・5倍になった。
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大分建設新聞社