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秋田建設工業新聞社
2015/11/18

【秋田】(株)レノバ/由利本荘市で浮体式洋上風力発電を検討

 再生可能エネルギーなどを展開する株式会社レノバ(東京都千代田区大手町一丁目7の2、木南陽介代表取締役社長)は、由利本荘市で浮体式洋上風力発電事業を計画している。水深50から100m程度の比較的浅水深の海域を対象に、低コストで環境影響の少ない次世代浮体式洋上風力発電システムを開発する目的で行うもの。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究として採択されたもので、環境影響評価方法書の縦覧を開始している。
 「(仮称)秋田県沖洋上風力発電事業」として計画している同事業は、昨年度(27年2月)にNEDOの実証研究として採択され、平成29年度までの事業期間で行われる。現在は地元漁業者を対象に説明会を実施し、意見交換などを行っている段階で、同社は「環境アセスメント調査の了承は漁業者から得ているが、事業の実施については現段階で確定しているわけではない」としており、環境影響評価の結果を漁業者に報告しながら実施の可能性を探る方針だ。
 方法書によると、本荘マリーナより約7.9km、水深約70mに出力6,150kW級の風力発電機1基を設置するもので、ハブ高さは95m、ローター径は152m。約14kmの海底ケーブルや、変電設備1基、陸上開閉所1カ所、約1kmの陸上送電線も必要と見られている。順調に運べば29年5月から風力発電機の設置(浮体係留)や海底ケーブルの敷設を実施する予定。
 国内では水深100m以上の深い海域における浮体式洋上発電で、すでに福島沖や長崎沖の実証事業が行われているが、国内の海は遠浅な海岸線が少ないうえ急傾斜な海底地形が多く、より難易度が高いとされている水深50mから100m海域の技術は確立されていない。今回の事業は比較的浅水深の海域を対象に実施し、次世代浮体式洋上風力発電システムの開発を目指す。

提供:秋田建設工業新聞社